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 平昌冬季五輪が閉幕した。

 確実にレベルアップした日本選手団をはじめ、過去最多の92カ国・地域から参加したアスリートたちが、スポーツの魅力と人間の可能性を示してくれた。

 2年後の東京夏季五輪に向けて、教訓や参考にすべきことが多い大会でもあった。

 ひとつが根深いドーピング問題だ。組織ぐるみの違反が指摘されたロシアの選手たちは、個人の資格で参加した。ところがその中から、またも禁止薬物の陽性反応が出て、メダルを剥奪(はくだつ)されるなどした。

 それだけではない。日本選手の1人も陽性と判断された。本人は使用を否定していて詳細は不明だが、大会前に発覚したカヌー選手による薬物混入事件とあわせ、日本のクリーンイメージは大きく傷ついた。再発防止に全力でとり組む必要がある。

 試合時間の設定も論議を呼んだ。フィギュアなどの人気種目は、午前中から始まった。逆にジャンプは終了が深夜0時を過ぎたこともあった。欧米の放送時間にあわせたためだ。

 膨大な放映権料を払うテレビ局への配慮が、選手の体調管理や観客の利便よりも優先され、後味の悪さを残した。

 東京は酷暑の季節の開催になる。限界はあるが、できるかぎりの工夫を凝らし「選手第一」の姿勢を貫くべきだ。

 輸送対策も後手に回った印象は否めず、渋滞など多くのトラブルを引き起こした。築地市場の移転問題が尾を引く東京にとって他人事ではない。五輪で近年相次ぐ「観客席の大量空席」の光景もくり返された。入場券の不当な転売防止とあわせ、対策を練らねばならない。

 北朝鮮問題が深刻さを増すなか開かれた今回の大会は、関係国の思惑がからみ、あちこちに「政治」が影を落とした。アイスホッケーの南北合同チームが急きょ結成されたことで混乱もあった。だが総じて韓国の人々は平静に五輪を楽しみ、競技会場ではどの国・地域の選手にも温かな拍手が送られた。

 中でもスピードスケートの小平奈緒、李相花(イサンファ)両選手がみせた国境を超えた友情は、多くの共感と感動を呼び、スポーツがもつ力を強く印象づけた。ぜひ東京に引き継ぎたい財産だ。

 五輪は平昌から東京、そして22年北京冬季と東アジアでの開催が続く。難しい課題を抱える地域だからこそ、ふつうの人が互いの国を訪ね、同じ会場で声援を送り合う機会は貴重だ。

 選手や指導者だけではない。市民も「主役」になれる大会をめざして、準備を進めたい。

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