[PR]

 作家の中村うさぎさん(60)と交流のあるイラストレーターのこうきさん、歌人の鈴掛真さんの2人が、A-portでクラウドファンディングに挑戦している。自らもクラウドファンディングの経験がある中村さんに、その魅力や可能性について聞いた。

 ――中村さんは約1年前にムック本のクラウドファンディングで約163万円を集めていますね。

 「売春の非犯罪化」「表現規制反対」を訴える本を出したいけど、世間体を気にする出版社では難しいと思った。「自費出版でやりたいけど資金がないなあ」ということをツイッターでつぶやいたら、(クラウドファンディングサイトの)CAMPFIRE(キャンプファイヤー)から「じゃあ、うちでやりましょう」と言われて。

 ――実際にやってみて、どうでしたか?

 自分とは関係のない世界の話という反応が多いかと心配していたけど、一般の会社員や主婦も含め、思っていたより多くの人が関心を示してくれた。モノを書くって個人的な作業で、作家には読者の顔がなかなか見えない。支援者と直接つながって、顔の見えるやりとりができるのはうれしかったですね。

 ――中村さんが応援している二つのプロジェクトについて教えてください。

 こうき君の絵本を作るプロジェクトは、絵が独特でグロテスクな面があるから、絵本を扱っている出版社に持ち込んでも、なかなか出版しようとしないでしょう。

 鈴掛さんは本も出していて、一定のファンがいる。自分の世界観を映像化するリリック(歌詞)ビデオを作りたいという若い世代らしいアイデアだけど、出版社が制作費を全部請け負うとなったら、慎重になるのが当然でしょう。クラウドファンディングなら見たい人が千円でも3千円でも出してくれれば、なんとかなるかもしれない。

 2人ともそれぞれの世界が強烈にある。クラウドファンディングって、埋もれている個性を見いだす楽しみもある。その人がその後、大成功してくれたら支援者もうれしいじゃないですか? AKBファンが推しメンを応援するみたいなもん。ホストクラブもそうですけど(笑)。

 ――クラウドファンディングの活用は増えていくと思いますか?

 うん、ただ、多様化を促進するので、ベストセラーは生まれにくいかもしれないね。出版社が作家を育てる時代はずいぶん前に終わった。「コミケ」は読者が直接作家を選ぶ仕組みで、それこそクラウドファンディングのルーツみたいなところがあると思うんだよね。万人受けする本は普通の商業出版で出せばいい。クラウドファンディングは強烈な個性が芽を出す土壌を作れるんじゃないかと思う。(聞き手・伊勢剛)

 ■絵本・リリックビデオ制作、挑戦中

 A―portで、こうきさんは、ゲイへの周囲の無理解に苦しんだ経験にもとづく絵本「親に愛されなかったマイノリティ」の制作に挑戦している。鈴掛さんはミュージックビデオを手がける「19―juke―」と組み、短歌のリリックビデオ制作に取り組んでいる。

 ◇詳しくはサイト(https://a-port.asahi.com別ウインドウで開きます)で

 【支援に関するお問い合わせ】

 メール call@a-port-mail.com

 電話 03・6869・9001(祝日を除く月~金曜の10~17時)

 【起案に関するお問い合わせ】

 上記サイトから

こんなニュースも