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 いまこそ国会が行政監視の使命を果たす時だ。

 森友学園との国有地取引をめぐる財務省の文書改ざん問題は、当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏が証人喚問で証言拒否を連発したことで、真相解明は進まず、かえって疑念が深まった。

 引き続いての速やかな審議が必要なのに、野党が求めた衆院予算委員会の集中審議は、ようやく11日に開かれる。証人喚問からおよそ2週間を空費する責任は、ひとえに与党の後ろ向きな対応にある。

 防衛省では、国会で存在しないとしてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった。1年前に気づいていたこと、陸自のみならず、航空自衛隊にも残っていたことも判明した。1週間に3度も防衛相が国民におわびする異常事態。安倍政権の公文書管理のずさんさは底なしの様相だ。

 行政府で何が起きているのか。立法府こそが究明に力を尽くさなければいけない。

 改ざんが明るみに出てから1カ月余り。政府はいまだ詳細を説明せず、責任回避の姿勢ばかりが目立つ。麻生財務相は「(改ざんは)理財局の一部の職員によって行われた」と述べ、安倍首相は「(学園への国有地売却に)私や私の妻が関わっていないということは明らかだろう」と繰り返す。

 本紙の直近の世論調査で、こうした麻生氏や首相の説明に7割以上の人が納得していない。

 だが、政権中枢の関心は国民の疑問に向き合うのではなく、どうかわすかにあるようだ。

 今月中旬には首相が訪米してトランプ大統領と会談し、来月は米朝首脳会談がある。国会論戦は極力避け、外交で関心をそらし、批判の収まりを待つ――。政権内ではそんなシナリオも語られている。到底許されるものではない。

 立法府が求めた文書が行政府によって改ざんされ、1年余りの審議の前提が覆されたのだ。民主主義が正念場に立たされていることを、国会は自覚し、改ざんが行われた理由は何か、なぜ学園に破格の安値で国有地が売られたのか、この2点を徹底して追及すべきだ。

 予算委での審議に加え、野党や与党の一部が求める調査特別委員会の設置も検討すべきだろう。ロッキード事件やリクルート事件の際にも設けられ、多数の証人喚問が行われた。

 国会にあらゆる関係者を呼んで事実を突き止める。政治的・道義的責任を明らかにし、再発防止策をまとめる。与野党ともにその覚悟が問われている。

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