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 森友学園への国有地の売却価格は適正だったのか。8億円にのぼる値引きの根拠を揺るがす事実がまた明らかになった。

 財務省の太田充理財局長は、きのうの参院決算委員会で、値引きの理由とした地中のごみの撤去をめぐり、学園側に虚偽の説明をするよう求めていたことを認めた。NHKが先週報じ、同省が調査していた。

 「費用に関して相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」。昨年2月、理財局職員が森友側弁護士に、電話でそう伝えたという。

 国有財産の管理を担う財務省が、取引相手にウソをつかせようとする。前代未聞である。

 国会では、8億円分のごみの撤去には「ダンプカー4千台分」が必要だと野党が追及を強め、当時の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長が「適切に行ったというのは、近畿財務局で確認している」などと答弁していた。

 口裏合わせを求めた理由について、太田氏は「(佐川氏の答弁と)整合性を取ろうとした」と述べたが、到底納得できるものではない。

 地中のごみの量については、会計検査院が昨年11月、政府の説明より最大で約7割少なくなる独自の試算を国会に報告している。「適正な価格」で売ったという政府の説明を信じるわけにはいかない。

 きのうの国会では、誰がどのような判断で森友側への働きかけを決めたのか、より具体的な事情は明らかにならなかった。

 決裁文書の改ざんと併せ、異様ともいえる財務省の対応に、安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」という答弁が影響していなかったのか、徹底的に調べる必要がある。

 深刻なのは、この問題に正面から向き合う姿勢が、首相や麻生財務相にいまだにうかがえないことだ。とりわけ財務省のトップである麻生氏の監督責任、政治責任は重い。真相解明の先頭に立つのでなければ、職にとどまる意味はない。

 首相は決算委で「公務員が行政のプロとして適切に役割を果たすためには、政治家がその責任と権限のもと、強力なリーダーシップを発揮しなければならない」と言い切った。

 財務省はなぜ国有地を格安で売却し、文書を改ざんしてまで何を隠そうとしたのか。その究明が先決だ。妻の昭恵氏にも公の場で証言を求めるべきだ。

 口先だけではない指導力を、首相に強く求める。

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