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 北朝鮮をめぐる動きは急展開を続けている。韓国と米国は今月末以降、北朝鮮との首脳会談に臨む準備をすすめている。

 それに先立ち北朝鮮は、自らの足場を固めるように、後ろ盾の中国と首脳会談を終え、今週はロシアと外相会談をした。

 この対話の流れから外れている唯一の隣国は、日本である。圧力ばかりに固執した結果でもあり、出遅れ感は否めない。

 だが、だからといって日本も首脳対話を焦って追い求めるのは得策ではない。まずは韓国、米国と綿密に政策をすりあわせて、拉致問題など日本が抱く懸念への対処と、非核化を実現するよう努力を強めるべきだ。

 日米韓はともに平壌に対峙(たいじ)する共通の立場にあるが、思惑は微妙にずれる。北朝鮮はその足並みの乱れを突いて、核開発の口実や時間を稼いできた。

 対話の流れが広がってきたからこそ、日米韓は改めて結束を確認しておく必要がある。

 その意味できのう、日韓外相がソウルで今後の連携を確認したのは時宜にかなう。近接する日韓が、北朝鮮の中距離以下のミサイルについても懸念を共有しておくことは大切だ。

 安倍首相による来週の訪米は正念場となろう。トランプ大統領に対し、日本の立場と懸念をしっかり説かねばならない。

 拉致問題の重みを伝えるのは当然である。さらに、米朝会談の行方を案じる日本などの危機感を理解させる必要がある。会談の決裂を機に、軍事行動に突き進むような事態は避けねばならないことを強く念押ししておくべきだろう。

 逆に、米朝対話が一定の進展をみれば、今は休戦中の朝鮮戦争を公式に終息させる和平づくりの課題も出る。そのための多国間協議の立ち上げもありえる。地域の安定は日本にとっても大きな利益であり、積極的に関与するべきだ。

 さまざまな首脳対話がもたらす今後の局面は予断を許さず、流動的だ。少なくとも日本は圧力だけを語る硬直的な姿勢を脱し、米韓との結束を維持しつつ、やがてありえる直接対話の機会に備えておくべきだ。

 日朝関係の礎は今も、2002年の日朝平壌宣言である。あるべき隣国同士の関係を示し、国交正常化をうたったものだ。正常化を果たした際の経済支援も盛り込まれている。

 戦後補償のかたちで行う大規模な支援は、北朝鮮を対話に導く有力な手段になりえる。

 これらの経緯を踏まえつつ、朝鮮半島の激動に対応できる柔軟さが日本外交に求められる。

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