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 日本と中国の政府間で、関係改善へ向けた歯車がかみ合い始めた。この流れを着実に育て、交流を深めていきたい。

 中国の王毅(ワンイー)外相が来日し、安倍首相や河野外相と会談した。河野氏の年初の訪中への答礼であり、両国外相の相互訪問は9年ぶり。閣僚級の経済対話も8年ぶりに開かれた。

 来月には日中韓会談に合わせて李克強(リーコーチアン)首相が来日する。安倍首相と習近平(シーチンピン)国家主席の相互訪問についても、実現の期待がふくらんでいる。

 国交正常化以来最悪といわれた近年の疎遠さを脱し、新たな空気を醸そうとする意図が中国側からうかがえる。その変化を注意深く受け止めたい。

 要因の一つは、米中関係の不安定化とみられている。北朝鮮問題で協調、通商で威嚇、軍事面で牽制(けんせい)を続けるトランプ政権の対中姿勢は予測が難しい。そのため対日関係は複雑化を避けるのが得策と考えたようだ。

 習主席は2期目の体制を無事に発足させ、周辺外交に力を入れ始めているとの見方もある。さらに中国の経済成長が鈍化するなか、日本との経済関係も重要性を増しているようだ。

 いずれにしろ、この転機を日本側は主導的にとらえ、中国と協働できる分野を広げたい。

 まずは、北朝鮮問題である。朝鮮半島の非核化と安定は、日中とも望んでいる。中国が制裁を緩めないよう釘を刺しつつ、日本も将来的な日朝関係の正常化への道筋を説くなど、和平づくりに参画するべきだ。

 中国の提案で復活した経済対話は、自由貿易の重要性を確認した。米国の保護主義への傾斜は世界にとっての懸案である。既存の国際ルールを尊重し、中国による投資規制なども改善するよう求める必要がある。

 一方で、不信感が双方でまだ根強いのも事実だ。中国海軍の潜水艦が今年1月に尖閣諸島沖の接続水域を初めて潜航したことは記憶に新しい。

 東シナ海で偶発的衝突を避けるための防衛当局間の「海空連絡メカニズム」は、近く運用開始で正式に合意する見通しだ。無用な緊張を避けるためにも、さらなる当局間の信頼醸成を急がねばならない。

 これまで厳しい日本批判を続けてきた王氏は「より広い、長期的な観点からの関係改善」を望むと語った。その言葉が双方で実行されるよう切に願う。

 ことしは日中平和友好条約の締結から40年の節目である。アジアを代表する国同士、世界規模の問題にともに取り組める関係を築く契機の年としたい。

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