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 日本相撲協会は週末の28日、「土俵と女性について」を議題に臨時の理事会を開く。

 急病人の救命にあたっていた女性看護師に土俵から降りるよう求め、後に謝罪した事件をきっかけに、「女人禁制」のしきたりに疑問や批判が相次いでいる。巡業先の女性首長からも見直しを求める声があがる。

 大相撲の将来の発展を考えたとき、どう対処すべきか。理事会では、大局的な見地からしっかり議論して欲しい。

 女性を締めだす理由や起源には諸説ある。もっぱら「土俵には神様がいるから」と説明されるが、だとしてもそれが直ちに禁制の理由にはならない。さかのぼれば女性相撲の長い歴史があり、近年は女子の国際大会も開かれている。

 協会は「相撲文化の振興と国民の心身の向上に寄与することを目的とする」公益法人で、税の優遇を受けるなどしている。あいさつや表彰の場からも女性を排除するという差別的な行いが、そんな公的色彩をもつ団体にふさわしいとは思えない。

 協会は今春の巡業から、力士がけいこをつける「ちびっこ相撲」にも女子児童を参加させない措置をとった。「けがが心配だから」というが、この理由にどれだけの人が納得するか。

 女性を土俵にあげないことのおかしさは、以前も論争の的になった。森山真弓氏が女性初の官房長官を務めていた90年、そして春場所が開催される大阪府の知事に太田房江氏が就任した00年からの数年間だ。

 当時の朝日新聞の世論調査では、表彰式への参加に意欲を示す知事を支持する人が47%で、協会支持の37%を上回った。また04~07年に東海大学の教員らが本場所の観客の意識を調査したときは、8割前後が伝統を重視することに理解を示す一方、「表彰時だけなら女性が土俵にあがっても良い」との考えに、ほぼ半数が賛成している。

 改めて、大相撲ファンや社会全体の受けとめを調べるのも、意義があるのではないか。

 伝統を大切にしながら新しい姿を探ることは可能だし、実際に大相撲は外国人力士の受け入れをはじめ、世の中の動きにあわせた改革を重ねてきた。

 女性と土俵の関係をめぐっても、千秋楽の取組後、神様に土俵から元の場所に帰ってもらう「神送りの儀式」を先に行い、それから表彰式に移ってはどうかといった提案がある。

 多くの国民の理解と支持があってこその大相撲だ。時代の声に耳を傾け、それにこたえる方策を真摯(しんし)に考えてもらいたい。

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