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 「アンネの日記」を書いたアンネ・フランク。「ローマの休日」で知られるオードリー・ヘプバーン。ともに1929年生まれの2人は第2次世界大戦の同時期、ドイツ占領下のオランダにいた。教科書会社「学び舎(しゃ)」の中学歴史教科書は、欧州での戦争を学ぶ章の冒頭に、この2人の写真を掲載している。

 他章も、産業革命では工場で働く子ども、戦後の原水禁運動では第五福竜丸の被ばくを伝える新聞と映画ゴジラのポスター……。具体的なものを見せ、子どもの興味や疑問を誘うのが狙いだ。「自分で読みたくなる教科書にしたかった」。制作に携わった「子どもと学ぶ歴史教科書の会」の副代表・山田麗子さん(65)はこう説明する。

 先生が教えやすい教科書ではなく、子どもたちが学びたくなる教科書を――と同会が活動を始めたのは2010年。現場を知る教員・元教員が「手応えを感じたものを練り上げて書いた」。重要語句は太字にするのが一般的だが、「暗記に誘導してしまうかも」と考えてやめた。

 会のメンバーは退職金や貯金を持ち寄り、13年に「学び舎」を設立。文部科学省の検定に提出した最初の本は、時代区分が学習指導要領に沿っていないなどの点が不適切と判断され、いったん不合格となったが、再申請の末に合格した。実際に採用しているのは38校。採用校からは「子どもがさまざまな発見や疑問を口にする」「休み時間まで教科書を読んでいる生徒がいる」などの反響があるという。

 「特定の『○○史観』を押しつけるのではなく、一生かけて歴史観を培っていく題材となるように作った。この教科書からいろんな授業が生まれてほしい」と山田さんは話す。

 中学で21年度全面実施の新学習指導要領にあわせた改訂に数千万円がかかるといい、その一部の支援をA-port(エーポート)で募っている。アドレスは、http://t.asahi.com/p7ty別ウインドウで開きます

 (伊勢剛)

 《目標額》500万円

 《特典例》1万円で学び舎教科書(現行版)市販本、同教科書を使う歴史講座受講券、サイトに名前掲載など

 ◇朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「A-port」の魅力的なプロジェクトなどを随時ご紹介します。

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