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 傷つけられて、沈黙しているあなたへ。

 セクハラされて、我慢して、悔しかったでしょう。悲しかったでしょう。私には、あなたの気持ちがわかる。

 あなたは、私だ。

 初めて社会へ出たころを思い出した。覚えることばかりで失敗もたくさんしたけれど、大人になった自分が誇らしかった。そこに、セクハラという「現実」が待っているなんて、想像したこともなかった。

 ひどく傷つきながらも、考えた。この先も続くはずのキャリアを、失うのは怖い。だから、我慢することにした。

 同じような経験をして、声をあげた被害者はいた。でも、良いことなんて一つもなかった。バッシングされ、ネットでさらし者にされた。そんな目に遭うくらいなら黙っていよう。そう思ったあなたは、悪くない。

 そして、傷つけて黙っているあなたへ。

 地位や権力があれば、何をしてもいい。セクハラなんて目下の人間のわがままだ。海外の「#MeToo」運動も、日本では目立たないから大丈夫。やばくなったら、「性を武器にした。はめられた」と反論すればいい――。そんな理屈が許されるなんて思わない方がいい。

 私は、あなたを認めない。許さない。

 傷つけているあなたに知らせがある。少し前と違って、声をあげる被害者が増えてきた。関東のNPOなどによる「#WeToo」や、学者や弁護士らが「#WithYou」の紙を国会内で掲げた運動も生まれた。

 この春、首都圏の大学生たちが同世代向けに小冊子をつくった。「同意のない性的言動は全て性暴力です」と明記し、匿名通報窓口、支援施設などを満載した。反セクハラの集会や勉強会も各地で開かれている。

 最後に、ただ沈黙しているあなたへ。

 「自分は関係ない」と思っていませんか。でもきっと、どこかで関係している。職場で、街頭で、電車で、酒場で、見たり、居合わせたりしたことはないですか。性差別を、それを許す社会を、知らない間に受け入れてしまっていませんか。

 見て見ぬふりをしたり、「被害者のためだ」と笑ってやり過ごしたりしたことは? 人の心と尊厳を破壊する問題に目をつぶるとき、その社会は暗やみへ向かって歩み始める。

 もう、沈黙はやめよう。この息苦しい社会を変えるために。だれもが快く共存できる社会への、一歩を踏み出すために。

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