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 きのう民進党と希望の党が合流し、国民民主党を結成した。昨秋の衆院選でバラバラになった旧民進党勢力の一部が、再び元のさやに収まった形だ。

 自公政権に代わる政治勢力の結集に向けた一歩という意義自体は否定しない。

 ただ、新党に加わるのは両党所属議員の6割にとどまり、衆院では野党第1党に届かなかった。残りの4割は無所属での活動や、立憲民主党への移籍などを選んだ。

 もちろん、当座の「数合わせ」より重要なのは、新党が何を目指すのか、その理念と具体的な政策である。

 新党は綱領で「穏健保守からリベラルまでを包摂する国民が主役の中道改革政党」を掲げた。さまざまな考え方の人を受け入れられるよう間口を広げたともいえる。共同代表に就いた大塚耕平氏は、「中道」とは、異なる意見を否定せず、熟議を尽くして合意に至る「民主主義そのもの」だと説く。

 一方、基本政策では、両党で食い違っていた安全保障関連法への対応について「違憲と指摘される部分を白紙撤回することを含め、必要な見直しを行う」とした。1月に両党の統一会派結成がご破算になった時の合意とほぼ変わらない。

 その後、どこまで詰めたすり合わせをしたのか。寄り合い所帯を解消できず、分裂に至った旧民進党の失敗を重く受け止めるべきだ。

 そもそも新党は、個々の選挙事情を抱えた議員が生き残るための離合集散ではないのか、との疑いがぬぐえない。国会会期中、しかも、不祥事が相次ぐ行政府を、野党が結束して追及すべきタイミングでもあった。

 旧民進党を支援していた連合は、来年夏の参院選に、傘下の組織が推す候補者の擁立を予定する。来年春には統一地方選もある。選挙の足場を早く整えたいという連合の意向への配慮があったとすれば、内向きの論理と言わざるを得ない。

 同じく旧民進党から袂(たもと)を分かった立憲民主党の枝野代表は「いまの安倍政権にストップをかけていく。永田町の駆け引きと受け止められたら、国民の期待を受けられない」と語る。

 「安倍1強」の下、野党の行政監視はその重要性を増している。まずは政権を厳しくチェックし、政策の問題点を明らかにする。同時に、各党が自らの政策を磨く。そうした地道な積み重ねの先に、新たな協力や再編の道も見えてこよう。近道はない。すべての野党にそのことを自覚してほしい。

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