[PR]

 10日投開票の新潟県知事選で、県内外から注目されている論点の一つが、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について、だ。与党が支持する候補者は争点化を避け、野党が推薦する候補者は脱原発を訴えている。

 柏崎刈羽原発6、7号機は昨年末、原子力規制委員会による主要審査を終えた。7年前に福島第一原発事故を起こした東電が再び原発を動かすのか、などが焦点になっている。再稼働には地元自治体の同意を得るのが慣例で、刈羽村は容認、柏崎市は条件付き容認の立場。新知事は原発への姿勢を問われることになる。

 自公両党が支持する前海上保安庁次長の花角(はなずみ)英世氏(60)は、米山隆一前知事が進めてきた原発事故の委員会を引き継ぎ、検証に2~3年かけると明言。5日、新潟市内で開いた演説会では「原発の安全性が確認できたとしても、県民が納得しない限り、動かさない」と訴えた。告示前には、再稼働の判断をする際には辞職して出直し知事選で民意を問う可能性にも言及した。

 与党側は原発再稼働が最大の争点となった前回知事選で敗れた。自民党新潟県連幹部は「自民への逆風がある中で、さらに原発が争点になるような構図は厳しい」。原発反対の世論を意識し、再稼働に慎重な姿勢をアピールすることで争点化を避ける戦略を採る。

 「相手候補は中央政府の意向に沿った判断をする。政権の言いなりになってはいけない」。野党5党が推薦する前県議の池田千賀子氏(57)は5日、三条市内の集会で声を上げた。

 野党側は反再稼働のスタンスを強調する。花角氏が二階俊博・自民党幹事長の運輸相時代の秘書官だった経歴に触れ、再稼働を推進する政府の意向にあらがえないと訴える。池田氏は、施行後5年以内に全原発廃炉をめざす原発ゼロ基本法案を「強く支持する」と強調。3年以上かけ検証し、県民投票などを経て再稼働の是非を判断する考えを示す。

 選挙戦で、花角氏は防災力向上や起業支援などを訴え、原発問題に触れないこともある。一方、池田氏は原発については毎回言及し、農業や子育て支援の政策も訴えている。

 知事選には元五泉市議の安中聡氏(40)も立候補し、「利権構造からの脱却」のほか、検証を待たずに即時廃炉と訴える。

 (高木真也、加藤あず佐)

こんなニュースも