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 23年前の阪神・淡路大震災を思い出した人も多かったのではないか。

 きのうの朝、大阪府北部を中心に関西の広範囲が激しい揺れに見舞われた。最大で震度6弱を記録し、4人が死亡、大勢のけが人が出た。建物の損壊や火災、停電、水道管の破裂といった被害のほか、鉄道がとまって通勤・通学客が立ち往生するなど、帰宅時まで混乱が続いた。

 気象庁によると、地震は神戸市から大阪府高槻市に延びる断層帯のごく近くで発生したとみられる。大阪平野の周辺にはこうした活断層が密集する。今回の地震が引き金になって、近くの断層が動く危険性を指摘する専門家もいる。震度7の大きな揺れが実は「前震」で、その後に本震が襲った、おととしの熊本地震のような例もある。

 まずは、さらなる揺れにそれぞれが備えることだ。

 避難先や避難ルートを承知しているか。互いに安否を確認しあう方法を決めているか。水や非常食など、とりあえずのくらしに必要なものは用意しているか。家庭、学校、職場、地域で改めて確かめてほしい。

 そのうえで、今回の地震で明らかになった課題にも向き合っていかなければならない。

 登校途中の高槻市の9歳の女の子と、大阪市東淀川区の80歳のお年寄りが、崩れてきたブロック塀の下敷きになって亡くなった。また、駅構内のつり下げ型掲示板の落下が報告された。地震対策というと建物の耐震補強に関心が集まりがちだが、こうした街なかに潜む危険にも目を向けていく必要がある。

 東日本大震災のとき、ストップした鉄道にかわって自動車で移動しようとする人で、首都圏の道路は身動きがとれなくなった。きのうの関西でも同じような渋滞が各地で相次いだ。

 救急車や消防車、警察車両の通行に支障は生じなかっただろうか。「無理に目的地に向かおうとせず、安全な場所で待機する」という非常時の基本を、一人ひとりが徹底したい。

 企業にとっては、活動をどう継続させるかは危機管理の眼目の一つだ。だが、発災からの時間や状況を見て柔軟に対応しなければ、従業員の安全は守れず、社会に迷惑をかけることにもなりかねない。

 気象庁は「M6程度の地震は日本全国、いつでも、どこでも発生しうる」と指摘した。

 地震列島に住んでいることを自覚し、備えを一歩ずつ前へ進める。関西を襲ったきのうの地震を、その認識を新たにする機会にしたい。

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