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 登下校時の子どもの安全を守るために大人は何をすべきか。様々な手立てを考えたい。

 新潟市で5月、小学校から自宅に帰る途中の2年生の女の子が遺体で見つかった。殺人罪などに問われた近所の男が、車を女児にぶつけ、車中に連れ込んだと捜査当局はみている。

 この学区では、ボランティアの「子ども見守り隊」が活動していた。ただ、担い手が年々減り、事件の発生現場とみられる付近には、2~3年前から要員をおけなくなっていた。

 全国に共通する悩みだ。とりわけ親の世代が働いている下校時間帯はお年寄りが頼りだが、高齢化が進むにつれ、街角に立てる人は少なくなっている。

 千葉県松戸市では昨年、登校中の小3の女児が殺害される事件が起きた。日ごろ見守り活動にもたずさわっていた男性が起訴され、無罪を訴えて争っている。地域には驚きが走ったが、活動に改めて力を入れた結果、不審者のつきまといや痴漢などの被害報告が、事件前より大きく減ったという。

 「人の目」がもつ抑止効果は高い。見守り隊だけでは十分な態勢がとれなくても、たとえば「買い物や犬の散歩はなるべく下校時刻にあわせてほしい」と町内会などを通じて呼びかけ、街なかを歩く人の数が増えるだけでも、安全度は高まる。

 別の手立てを組み合わせることも考えたい。スクールバスもその一つだ。16年3月時点で、地方を中心に全国の小学校の16%が活用している。地域の事情を踏まえつつ、さらに普及させられないか。

 公立の小中学校は携帯電話の持ち込みを原則禁じているが、東京都品川区は05年度から、防犯に特化した端末を区立小の全員に無償で持たせている。

 居場所をつかむ機能に加え、緊急時にひもを引くと区のセンターにつながって、係員と話せる。追加料金を払えば親子間でも通話ができる。

 児童ひとりにつき年間1万円以上の経費がかかり、区全体では2億円ほどになる。直ちには導入できないという自治体も、複数の市町村で一体運用してコストを下げたり、保護者に一定の負担を求めたり、検討できることはあるのではないか。

 新潟の地元の自治会は、事件後、手の足りない箇所に防犯カメラを置くことを決めた。

 わが町にはどんな危険があるか。どんな方法で子を守るか。費用をどう負担し合うか。地域で話し合いを重ねることは、住民の間の連帯感や防犯意識を高める効果も生むだろう。

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