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 記録的な大雨が、西日本を中心に広い地域を襲った。気象庁が数十年に一度の現象と判断して出す大雨特別警報は、九州と中国、近畿地方などの計9府県に及んだ。

 土砂崩れや河川の氾濫(はんらん)が各地で相次ぎ、堤防の決壊も起きた。死者や行方不明者、連絡が取れない人のほか、孤立した集落や家屋などに取り残された人も続出した。

 まずは不明者の捜索と安否の確認、被災者の救出である。消防や警察、自衛隊、自治体は連携して全力を尽くしてほしい。

 救助された人も、被害が深刻な地域では避難生活が長期にわたることが予想される。食料や水、衣服、寝具をはじめとする生活物資の確保、電気や通信など地域のライフラインの復旧に向けて、国は積極的に支援しなければならない。

 気象庁によると、今回の大雨は、本州付近に停滞した梅雨前線に、南から大量の水蒸気を含んだ空気が継続的に流れ込んだために生じた。雨が数日間、しかも広範囲に及んだのは、積乱雲が帯状に連なる線状降水帯が同時多発的に発生したためとみられる。

 気象庁は今回、大雨について早めに厳重な警戒を呼びかける異例の記者会見も開いた。先手を打った対応は評価できるが、実際には想定を上回る大雨が降った。

 8日も、全国的に降雨が続くとの予報が出ている。猛烈な勢力の台風8号が今後、沖縄へ接近するおそれもあり、影響が心配される。

 天候が回復し、雨がやんだ後も、警戒を怠ってはならない。土砂災害は累積の降雨量が大きく影響するだけに、油断できないことを肝に銘じたい。

 浸水や土砂崩れが想定される場合は、早めに行動し、安全な場所へ逃げることだ。住民自身が避難先や避難経路を頭に入れておくことが欠かせない。

 1年前の九州北部豪雨や2015年の関東・東北豪雨、14年に広島市で土砂崩れを引き起こした豪雨など、雨による災害は毎年のように起きている。異常気象ととらえるのではなく、いつでもどこでも起こり得ると考えるべきだ。

 今回の西日本豪雨では、波状的に出された特別警報が十分に危機感を伝えられたか、自治体ごとに次々と発令された避難勧告・指示に住民の行動は追いついていたのかなど、課題が浮かび上がっている。救助と被害の全容把握に努めた後、しっかり検証し、今後の対策に生かしていく必要がある。

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