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 行方不明者の捜索と救助が最優先である。時間とのたたかいだけに、全力をあげてほしい。同時に、避難所の運営をはじめ、救出された被災者への支援にも力を注がねばならない。

 西日本豪雨の被害は、広島や岡山、愛媛の各県を中心に死者が100人を超え、歴史的な惨事となった。

 大雨による土砂崩れや河川の氾濫(はんらん)は6日から7日にかけて広がったとみられている。一般的に、家屋の下敷きになるなどした被災者の生存率は、発生から72時間、すなわち3日を過ぎると著しく下がるとされる。

 消防や警察、自衛隊、海上保安庁は、各地からの応援を含め数万人の態勢で捜索と救助を続けている。大量の土砂や流木、河川からあふれた水が障害となっている所も少なくないが、新たな災害の発生を警戒しつつ、活動を急いでほしい。

 被災地では大雨がやみ、気象庁は9日、中国、近畿地方などが梅雨明けしたと見られると発表した。

 浸水した地域も水が引き始め、自宅の片付け作業に取りかかる被災者の姿も見られた。ただ、梅雨明けとともに気温も上昇し、今後も真夏日や熱帯夜が続くと予想されている。

 大規模な浸水被害に見舞われた岡山県倉敷市真備(まび)町をはじめ、地域の小学校などに避難所が次々と開設されているが、断水が続き、飲み水やトイレ用の水の確保もままならない。熱中症や感染症の予防をはじめ、健康、衛生面の対策が急務だ。

 安倍首相は予定していた欧州と中東の訪問をとりやめ、省庁横断の被災者生活支援チームの立ち上げを指示した。

 被災地では道路や鉄道、水道、電気などの生活基盤が寸断されており、復旧には一定の時間を要しそうだ。支援には役所の縦割りを排すだけでなく、運送・宅配会社や公共サービスの事業者、被災地支援の経験が豊富なNPOやNGOなど、民間の企業や団体とも連携を密にすることが不可欠である。

 支援で大切なのは、被災地のニーズの見極めだ。

 倉敷市内では、浸水地域につながる橋の上に一時、個人が運び込んだと見られる支援物資が多く置かれ、捜索や救助の妨げになったという。

 せっかくの善意も、被災地の状況や刻々と変わるニーズを踏まえなければ、生かされない。今後、物資を提供したりボランティアに駆けつけたりする人が増えそうだが、国や自治体、民間の支援団体が発する情報に注目し、行動していきたい。

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