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 東から西に進んだ「逆走」台風が去り、日本列島は再び猛暑がぶり返している。

 おとといは新潟県上越市で過去最高の39・5度を記録したほか、北海道や東北でも35度を超えた。春以降、熱中症とみられる死者は86人にのぼり、約4万3千人が搬送されている。

 気象庁によると、8月上旬までは太平洋高気圧の張り出しによって、「災害級」の危険な暑さになる恐れがあるという。

 命を守ることを何よりも優先させなければならない。

 熱中症は高温多湿な環境に長くいて、体内に熱がこもる状態をいう。めまいや頭痛、吐き気などの症状が出る。重いと意識を失って死に至るが、正しい知識で防ぐことはできる。

 くり返し言われているように、こまめに水分・塩分をとるのが基本だ。扇風機やエアコンで室温を調節する。作業中は適度に休憩する。日中の外出は控える。すだれや打ち水、日傘、帽子でも暑さはやわらぐ。

 とくに配慮がいるのは子どもと高齢者だ。子どもは照り返しの影響を強く受け、高齢者は体温調節機能が低下している。日本救急医学会は今月20日に緊急提言をして、顔の紅潮や息の乱れなどの初期症状があれば、迷わず涼しい場所に移ることが大切、と呼びかけた。

 その3日前には、愛知県豊田市で校外学習に参加した小学1年生が、重度の熱中症である熱射病で死亡している。夏休みは屋外活動が増えるシーズンだ。学校や関係機関は気象予報に注意し、高温時は行事を中止するなど柔軟に対応してほしい。

 この夏は人類への警告のように地球規模で熱波が襲い、気象異変が相次いでいる。

 ノルウェーの北極圏で33・5度、米カリフォルニア州のデスバレーで52度を記録したことなどを受け、世界気象機関は異常な高温に警告を発し、「気候変動の結果だ」とした。乾燥による森林火災や、アジアでは豪雨被害も頻発している。

 先の通常国会で気候変動適応法が成立した。温暖化の影響を軽減するため、国が具体的な計画をつくり、さまざまな分野で対策に取り組むことを急ぐ。

 生命・健康はもちろん、農林水産業や経済活動をどう守っていくかも大きな課題だ。猛暑日は自宅勤務としたり、公共施設を開放して大勢が涼めるようにするクールシェアを実施したりと、工夫は広がっている。暑さを逆手にとってビジネスチャンスを探る道もあるだろう。

 暑さと戦うのではなく、暑さに適応する知恵を生みだそう。

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