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 ■東西に拠点、沿線に厚み出す

 東京急行電鉄が2012年から進めている東京・渋谷駅周辺の再開発事業。6棟の大型複合ビルを建てる一大プロジェクトで、多くは東京五輪のある20年までに完成します。渋谷再開発のその先の成長戦略は。今春、就任した高橋和夫社長(61)に聞きました。

 ――渋谷の再開発が急ピッチで進んでいます。

 「これは100年に一度の開発だ。東京五輪のある20年までに8割ができあがる。五輪で外国人がたくさん訪れているのに渋谷駅前は工事中というわけにはいかない。スケジュール通りに進めて間に合わせたい」

 ――来年度には、再開発で最大の目玉の「渋谷スクランブルスクエア」の東棟が完成します。

 「高さ230メートルの屋外展望施設もある。渋谷の新たなランドマークにしたい。東急といえば渋谷。ヒカリエなど駅周辺に六つのビルを持つことで、それぞれの強み、特徴を掛け合わせた町づくりができる。いつ、どこに行っても飽きない町にしたい」

 ――再開発が終わった後の成長戦略はどう描くのですか。

 「再開発がすべて終わるのは27年だが、そこから考え始めても間に合わない。ポスト渋谷として、『Greater SHIBUYA』と称し、渋谷の周辺でイベントを企画するなど、様々な事業を展開したいと考えている。いろんな投資を呼び込んで、面白い街にしていきたい」

 ――東急沿線はどう変化させていきますか。

 「東急は二子玉川駅(東京都世田谷区)周辺にオフィスビルを設けている。今後はサテライトオフィスなどの小さな拠点も沿線に設け、住む場所と働く場所を近づけることで、都心まで行かなくても生活を完結させることができるようにしたい。また、沿線の厚みも出したい」

 ――沿線の厚みとは、どういうことですか。

 「まず、渋谷駅の西側にある田園都市線南町田駅(東京都町田市)に大きな投資をする。東側に渋谷、西側に南町田という拠点を作り、沿線の厚みを出す。その間を人が移動することで、交流人口の増加にもつながっていく」

 「若い人は渋谷ばかりにいるわけではないし、沿線に住む人の高齢化も進んでいる。沿線に多様性を持たせることが重要だ。渋谷をとがった最先端の町にする一方、ほかのエリアではローカルな雰囲気も大切にしたい。そんな二面性のある鉄道にならなくてはいけない」

 (聞き手・北見英城)

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 たかはし・かずお 1957年生まれ、新潟県出身。一橋大卒。80年に東京急行電鉄に入社。91年から19年間、東急バスに出向してバス路線の計画づくりに携わるなど、主に交通畑を歩んだ。2011年に東急電鉄の取締役となり、専務執行役員などを経て、18年4月に社長に就任した。

 ◆毎週水曜日に掲載します。

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