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 西日本豪雨から約1カ月。犠牲者は220人を超え、今も行方不明者の捜索が続く。被災者は連日の炎天下、水浸しや土砂まみれになった住宅や家財道具の片付け作業に追われる。

 生活再建に欠かせないのが、災害廃棄物(災害ごみ)を着実に処理することだ。過去の震災時の経験を生かし、被災地以外の自治体による広域支援も視野に入れ、必要な対策を迅速に実行していかねばならない。

 堤防決壊で広範囲に冠水した岡山県倉敷市真備(まび)町では、道路脇や広場、駐車場に積まれた災害ごみの片付け作業が続いた。中学や高校の校庭も臨時の仮置き場になったが、新学期に備えて仮設校舎を建てるため、地区外の公有地に設けた「2次仮置き場」へ運び込む作業に自衛隊の車両や重機が投入された。

 市は、真備地区から出る災害ごみについて、南海トラフ地震を想定して見込んだ量をはるかに上回ると推計する。まだ片付けが終わっていない家屋もあり、解体作業が進めばさらに増える恐れがある。

 広島県などでは、家屋の周辺や路地にある土砂の撤去が進まず、災害ごみの搬出にも困難を極めた被災地がある。廃棄物の総量はまだ見通せない。

 被災自治体に対し、環境省は災害ごみを分別するよう呼びかけた。結果的に処理期間の短縮や経費削減につながるという。

 東日本大震災で地震と津波に直撃された宮城県東松島市は、住民らに分別を呼びかけ、木材やコンクリートがらなど廃棄物の種類ごとに回収車を分けた。集積後、機械で分別できない混合物は手作業で分類。災害ごみの大半を再利用の資源に回し、経費も想定より少なくできたという。そんな経験や知恵を生かしていきたい。

 大規模な災害に伴う廃棄物処理では、自治体による広域支援がたびたび行われてきた。西日本豪雨でも大都市圏や熊本など遠方の自治体が被災地にごみ収集車を送り、近隣の県からは今後の課題を把握するための要員が派遣された。

 ただ、処理には東日本大震災で3年、2年前の熊本地震でも2年かかっており、息の長い取り組みになる。状況に応じて支援策を切り替えながら、国も財政面などで支える必要がある。

 環境省は4年前、災害時のごみ処理計画を作るよう自治体に求めたが、策定済みは約4分の1にとどまる。仮置き場の候補地や処理能力を検討し、他の自治体と協力協定を結ぶといった作業が緊急時の土台になる。計画作りを急がねばならない。

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