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 国会が7月に閉じてから、森友・加計問題に進展はない。

 なぜ、財務省は森友学園に国有地を約8億円も値引きしたのか。愛媛県文書に記載されていた安倍首相と加計学園理事長との面会はなかったのか。

 これらの解明がすすまないのは、与党とくに自民党が事実確認に背を向けているからだ。首相への火の粉を振り払うのに懸命なようにしか見えない。

 自民党の消極姿勢を象徴するのが、3月に衆参両院で証人喚問された佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長の偽証罪での告発問題だ。

 喚問後に財務省が発表した決裁文書改ざんに関する調査報告書などを検証した野党は、偽証があったとして、議院証言法に基づいて告発するよう強く主張した。

 だが自民党は今月、同調を拒んだ。理由として「記憶に忠実である限り、客観的に誤っていても虚偽の陳述に当たらない」という判例を引いた。

 また、過去の告発は贈収賄など重大犯罪であり、不起訴の佐川氏とは違う点も挙げた。

 しかし、自民党の主張には無理がある。

 野党が「偽証」と指摘したのは、佐川氏が森友との契約問題も、首相の妻昭恵氏が学園の名誉校長であることも、2017年2月の「新聞報道で知った」と答えた点などだ。

 財務省の調査報告書には「国有財産審理室は(森友問題の)報道が出る可能性を意識して、17年2月初旬、理財局長に案件の概略を説明した」とある。その際、昭恵氏の件も報告があったと考えるのが自然だろう。

 新聞報道までまったく知らなかったという証言が「記憶に忠実」だとはとても思えない。

 それに「重大犯罪ではない」という自民党の線引きが許されるなら、国会で虚偽答弁がまかり通ってしまう。

 森友問題は公文書改ざんの上に、官僚の偽証の疑いが重なった。国会には究明する責任がある。自民党には、その自覚もないのか。

 大島理森・衆院議長は先週、森友問題について「行政を監視する国会が責務を十分に果たしたか検証の余地がある」と述べた。国会の国政調査権の活用なども唱えた。遅きに失したとはいえ、実践すべきことだ。

 国会は佐川氏を告発しないというのなら、再び招致して徹底的に問いただす必要がある。

 検察はすでに不起訴を決めている。「刑事訴追の恐れ」を理由に、喚問で証言拒否を連発した佐川氏も、今度は堂々と答えられるはずだ。

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