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 東京都の小池百合子知事が就任して、2年がたった。折り返し点を過ぎて任期の後半に臨む小池氏に、地に足のついた都政運営を、改めて求める。

 「東京大改革」を訴えて当選した小池氏は、前例踏襲の考えやものごとの決め方を否定することで世論の支持を集め、政策の推進力にしてきた。

 築地市場の移転延期や東京五輪の経費削減、古い体質の象徴と位置づけた都議会自民党との対決――。こうした「実績」を掲げて昨夏の都議選で勝利したが、希望の党を率いて臨んだ衆院選でつまずいた。

 その後は国政と距離を置き、待機児童の解消に向けたとり組みや、国の先をゆく受動喫煙防止条例の制定、すべての公費支出の情報公開などで、一定の成果をあげてはいる。だがかつての勢いはない。朝日新聞の先月の世論調査では支持率は49%。都議選を前に小池氏への期待がふくらんだ、17年4月当時の74%を大きく下回っている。

 小池氏やその周辺としては、何を旗印にして求心力を取り戻すか、思案の日々だろう。

 しかし大切なのは、花火を次々と打ち上げることではない。都政の課題を明らかにし、丁寧な説明を通じて、ひとつひとつ着実に解決していくという、ごく当たり前のことだ。

 それは、先日「安全宣言」をした市場問題にもあてはまる。

 宣言によって、10月に予定される豊洲への市場移転がいよいよ見えてきた。だが、業務に使わないとはいえ、新市場の地下水汚染の程度は変わらない。知事は昨年「築地は守る、豊洲を活(い)かす」と表明したが、その具体像も一向に示されない。

 消費者や市場関係者の理解を得るには、引き続きの環境監視はもちろん、難題から逃げず、適切に情報を発信しながら対話を重ねることが必要だ。

 今後、知事は五輪準備を加速させ、それが都政運営の柱になるだろう。だが忘れてならないのは「その後」への備えだ。

 2020年の東京は、人口がさらに集中する一方で、約23%が65歳以上という超高齢巨大都市になる。単身世帯がほぼ半数を占め、福祉や医療だけでなく、住宅や雇用など多岐にわたる対応が欠かせない。

 発足以来、小池都政では外部有識者が主要施策の方向づけをしてきたが、顧問行政との批判を受け、今春、職員中心の仕組みに改める姿勢を打ち出した。

 言をたがえず、庁内の知見を結集して山積する各テーマに挑む。それが、巨大組織の長の小池氏に求められる行動である。

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