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 経営再建中のJR北海道に対し、国土交通省は2020年度までの2年間に400億円超の財政支援を行うことを決めた。人口減と過疎化が著しい北海道で、維持費のかかる鉄道網をだれがどう支えていくのか。

 この2年半の間に、解を見つけなければならない。

 JR北は16年11月、道内の全路線の約半分にあたる1237キロ(10路線13区間)を「単独では維持できない」と表明した。高速道路網がJR発足時に比べて6・5倍以上に延びるといった環境変化も踏まえ、利用者が少なく構造的な赤字路線の存廃を地元と共に考えたい、との判断からだった。

 それから1年9カ月。5路線5区間の311キロは廃止の方針を固めているが、来年4月1日の廃止が決まった石勝線の夕張―新夕張間以外はなお、沿線自治体との協議が続いている。

 JR北はかつて、脱線事故やレールの検査データの改ざんなどの不祥事を起こした。その会社が経済合理性をたてに路線廃止を迫ることに、納得いかない利用者は少なくないだろう。

 北海道新幹線が30年度に札幌まで延伸するのを見据え、島田修社長は「不退転の覚悟で取り組み、なんとか31年度に経営自立を果たしたい」と語る。年間400億円前後の営業赤字が続く経営をどう立て直すのか。地元との協議を進めるためにも、人件費抑制など経営改善の計画や実績をわかりやすい形で示す必要がある。

 自治体や住民も、当事者として知恵を絞りたい。乗り合いタクシーや、乗り降り自由なバスになったら、利便性はどう変わるのか。鉄道を続けるのなら、だれがどう費用を負担するのか。結論を先送りすれば、事態は悪くなるばかりだ。

 国もこの機会に、31年前の国鉄の分割民営化のしくみを検証するべきだ。

 JR北はもともと赤字が見込まれ、民営化の際に国から受け取った経営安定基金の運用益で穴埋めする構造で発足した。ところが低金利で運用益が半減し、これまでも基金の積み増しや財政支援を受けたが、再生にはほど遠い。

 鉄道にどのような機能を求め、地域外の人も含めてだれが支えるのか。JR北という企業のあり方を含めて検討しなければ、時代に合った地域公共交通の新しい姿は描けない。

 JR四国も同じような赤字の構造にあり、地域の路線網維持という難題も共通する。地域の足を守るしくみを、根本から考え直す時期に来ている。

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