家に帰って電気をつける。食べたい夕食をリクエストする。子どものそんな何げない日常には、家庭で育っていれば、との前提がつく――。
「子どもが『見て見て』というとき、しっかりかかわって、その子が親になったときのモデルを見せてあげられるのが里親のいいところ。施設と里親家庭が両輪になって子どもを支えられるようにしたい」。こう話すのはNPO法人日本こども支援協会代表理事の岩朝しのぶさん(45)=写真。「里親の日」の10月4日に全国で啓発キャンペーンをするため、支援を募っている。
岩朝さんは先天性の病気で10歳ごろまでは、ほぼ病院暮らし。中学生のときに出産は難しいと告知された。貧困や虐待などの事情で親と暮らせない子どもが大勢いることを知ったとき、「病院で亡くなる子は助けられなかったけど、こっちは私が助けられるのではないか」と思ったという。自らが里親になるだけでなく、2010年に協会を設立し、里親を対象とした相談や交流事業、出産前後の親への支援などに取り組んでいる。
4歳のときに引き取って一緒に暮らし始めた子どもは今、11歳。「子どもが『そろそろ血もつながっている感じがする』って言うんですよ。里親冥利につきるというか。本当は里親も施設も必要ない社会が一番いい。協会自体が必要なくなる社会にしたい」
厚労省の調査によると、施設や里親家庭など社会的に養護されている子どもは約4万5千人。キャンペーンではこの人数にちなみ、里親制度について説明したハート形のチラシを全国で計4万5千枚配ることを目指す。
詳細は、http://t.asahi.com/tbhz(伊勢剛)
◆掲載中の注目プロジェクト
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■早産児写真展を開催したい
日本で生まれてくる約20人に1人が早産といわれています。写真展でそうした親子を応援します。http://t.asahi.com/tbhs
◇朝日新聞社のクラウドファンディング「A-port」(エーポート、電話03・6869・9001、平日10~17時)から子どもに関連したプロジェクトを紹介します。
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