折々のことば:1213 鷲田清一
父母に捨てられたとき、彼らはいのちのあらんかぎり泣きさけんだであろうに……人間の味わう悲哀の極限を経験したであろうに
(山田風太郎)
◇
自分は5歳で父を、妹は9歳で母を喪(うしな)った。なのに自分に父の記憶があり、妹に母のそれがないのは、自分には父のことを語る母がいたが、妹には母のこ…
父母に捨てられたとき、彼らはいのちのあらんかぎり泣きさけんだであろうに……人間の味わう悲哀の極限を経験したであろうに
(山田風太郎)
◇
自分は5歳で父を、妹は9歳で母を喪(うしな)った。なのに自分に父の記憶があり、妹に母のそれがないのは、自分には父のことを語る母がいたが、妹には母のこ…