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 ジャカルタ・アジア大会が、きょう閉幕する。

 日本選手団は総じて良い成績をおさめ、競技力の強化が進んでいることを印象づけた。一方で、バスケットボールの男子選手4人が買春行為をして途中帰国させられる事件も起きた。

 スポーツ界の相次ぐ不祥事は人々の信頼を著しく傷つけている。何が欠けていて、いま何をなすべきか。関係者はそれぞれの立場で現状を省み、足元を固め直す必要がある。

 今大会には、アジア五輪評議会(OCA)に加盟する45の国と地域すべてが参加した。互いの理解と協調を考えたとき、その意義は決して小さくない。

 同時に課題も浮き彫りになった。五輪にも通じる大会の肥大化だ。14年の韓国・仁川(インチョン)大会で36だった競技数は42に。地元の人気スポーツを入れたい開催地と、拡大志向のOCAの思惑が重なり、過去最多に並んだ。

 その結果、初採用のパラグライディングでは、1人の選手がタイムを競う種目と着地精度を競う種目の双方をこなすよう義務づけられた。参加人数と経費を抑えるためだが、両種目は用具も技術も異なる。アジア大会で戦うことは選手らの励みになるだろう。だが事故の危険性を含め、現場に過重な負担を強いる運営は考えものだ。

 そんな心配をするのも、26年に愛知県と名古屋市で次々回のアジア大会が開かれるためだ。経費は850億円とされるが、体育館や競技場をはじめ、恒久施設の整備などにかかる費用は別だ。このまま肥大化の波にのみ込まれてしまっては、際限のない支出が待ち受ける。

 94年広島大会も巨費を要し、その後の広島市は公共事業や人件費の大幅削減を強いられた。4年前の仁川も、競技場の建設などで920億円の借金を抱えたという。ごまかしのない数字を公開して、不断の見直しを重ねることが求められる。

 気になるのは、大会を開く愛知・名古屋ならではの意義がはっきりせず、地元でもいまだ認知度が高まっていないことだ。

 他に立候補する都市がないまま、多くの市民にとって唐突に開催が決まり、それから2年たったいまも組織委員会は発足していない。先日のOCA総会では、大村秀章知事が「質素で合理的で機能的な大会」、河村たかし市長が「楽しい大会」にするとアピールしたが、果たして共通のイメージはあるのか。

 すみやかに課題を整理し、方向性を定める。将来のモデルとなる大会にするには、残された時間は決して多くない。

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