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 政党が違う以上、各党が独自性を模索するのは当然だろう。しかし、巨大与党を従えた安倍1強政治に対峙(たいじ)するには、野党の連携が欠かせない。来年夏の参院選に向け、「1強多弱」の政治状況を少しでも変える契機としなければならない。

 衆院で野党第2党、参院で野党第1党である国民民主党の代表選がきのう行われた。今年5月の結党以来、大塚耕平参院議員とともに共同代表を務めてきた玉木雄一郎衆院議員が選ばれ、引き続き党のかじ取りを担うことになった。

 国民民主党は昨年秋の衆院選でバラバラになった旧民進党勢力の一部が元のさやに収まる形で結党した。同じく旧民進党から分かれた立憲民主党が、政権与党への対決路線をとったのに対し、「対決より解決」を掲げた対案路線が特徴だった。

 しかし、党勢は低迷を続けている。朝日新聞社の8月上旬の世論調査での政党支持率はわずか1%。代表選で玉木氏に挑んだ津村啓介衆院議員が「消滅危惧政党」だと危機感をあらわにしたのももっともだ。

 支持が広がらない理由はさまざまあろうが、先の通常国会で対案路線にこだわるあまり、与党の強引な国会運営に加担したととられる場面が多かったことも影響しているのではないか。

 会期延長に反対して野党各党が審議拒否をした時、早々に復帰を決めた。カジノ実施法案に反対はしたものの、政府に注文をつける付帯決議を条件に採決を容認した。働き方関連法案の付帯決議をめぐっても、立憲民主党との間でぎくしゃくした。

 野党に期待する民意を真摯(しんし)に汲(く)み取ったと言えるだろうか。

 野党連携のあり方は、代表選の大きな争点だった。玉木、津村両氏とも、参院選の1人区で野党候補の一本化を図ることでは一致している。ただ、共産党との候補者調整をめぐって意見が分かれた。事前の話し合いを求める津村氏に対し、玉木氏はまず自党の候補者を擁立してからという考えだ。

 玉木氏には、候補者の一本化という大目標を最優先した柔軟な対応を求めたい。独自の政策を打ち出すことも大切だが、まずは、野党全体が力を増すために何をすべきかという観点から考えるべきだ。

 玉木氏はきのうの就任会見で「おかしいことをチェックしていくのが野党の役目」だとし、政権追及の先頭に立つ決意を明らかにした。

 そこから野党の連携をどこまで強められるか、秋の臨時国会が試金石となる。

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