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 元慰安婦についての記事を「捏造(ねつぞう)」と記述され名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆・韓国カトリック大客員教授が、西岡力・麗沢大客員教授と「週刊文春」出版元の文芸春秋を相手取り、損害賠償などを求めた訴訟の本人尋問が5日、東京地裁であった。西岡氏が週刊文春記事に寄せたコメントが名誉毀損(きそん)にあたるかどうかが争点となった。

 植村氏は1991年、韓国人元慰安婦・金学順(キムハクスン)さんの証言を取材。記事は同年8月と12月に掲載された。この記事について西岡氏は週刊文春2014年2月6日号で「捏造記事と言っても過言ではありません」とコメント。週刊文春は14年8月14日・21日号でも「捏造記事」などと書いた。

 植村氏はこれらの記事により、大学教授として就職が内定していた神戸松蔭女子学院大(神戸市)との雇用契約を解除され、非常勤講師を務めていた北星学園大(札幌市)や家族にも非難や脅迫が集中したとして、15年1月に提訴した。

 西岡氏はこの日の尋問で、植村氏が金さんについて書いた記事の「女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行され」という表現について、「この方は一度も『女子挺身隊の名で』と言っていない。植村氏の記事は誤報で、読者を大きく誤らせるキャンペーンだ」と答えた。

 これに対し植村氏は「金さん自身、当時の記者会見で『私は挺身隊だった』と述べており、私の記事は誤りではない」と述べた。

 また西岡氏は、証拠として提出された論文の中で、韓国ハンギョレ新聞の記事を引用した際、金さんについて「40円で売られた」と同紙記事にない表現を付け加えたものがあったと認めた。「間違いです。後で気づいて訂正した」と語った。

 植村氏は、記事を「捏造」と書いたジャーナリストの櫻井よしこ氏や出版社3社を相手取った訴訟を札幌地裁に起こしており、7月6日に結審し11月9日に一審判決が言い渡される。

 (編集委員・北野隆一)

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