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 アフリカの振興は、国際社会の共通の重要課題である。一つの国が援助の名を借りて利己的な行動に走れば、大陸の持続可能な発展にはつながらない。

 中国がアフリカ地域の53カ国の首脳らを北京に招き、「中国アフリカ協力フォーラム」を開いた。習近平(シーチンピン)国家主席は総額600億ドル(約6兆6500億円)の拠出を表明し、影響力を強める姿勢を鮮明にした。

 世界第2の経済大国である中国が、アフリカ支援に力を注ぐことは歓迎したい。中国は経済的な関係強化を急速に進め、アフリカ最大の貿易相手国として発展に貢献してきた。

 しかし、問題も多い。事業のすすめ方や政治的な影響など、支援の「質」である。

 インフラ建設では、受注した中国企業の技術や管理のずさんさが指摘される。昨年はケニアで完成直前の橋が崩落した。

 援助される国が多額の債務を背負って償還不能になってしまうケースも少なくない。債務漬けになった国は中国の言うことを聞かざるをえなくなるため、欧米諸国には「新植民地主義だ」との批判がある。

 習氏は一部の国の債務を免除する方針を示したが、さらなる措置が必要だろう。援助される国が財政破綻(はたん)すれば、その支援供与国だけでなく、国際社会全体が対応を迫られる。

 新植民地主義は事実ではないと中国が反論するならば、もっと多くの情報を公開すべきだ。中国は支援事業にたずさわる労働者を自分の国から連れて行くケースが多く、現地に雇用を生まないとの不満もある。

 中国が援助する国には、独裁政権も多い。政権の正統性や人権などで問題があっても、ためらわない。国際刑事裁判所から戦争犯罪や人道の罪で逮捕状が出ているスーダンのバシル大統領らと中国の関係が、そうした事例だ。

 ホルムズ海峡に近いジブチに駐留拠点を設けるなど、中国は安全保障でもアフリカとの関係強化を進めている。中国から増えている武器輸出が、治安悪化の一因とも指摘される。

 国際社会が手を差し伸べる対象は何よりも、アフリカの人びとの暮らしである。貧困からの脱却と教育の拡充など長期的な発展に向け、本当に必要なものは何かを考えねばならない。

 その意味で、日本は援助の「質」にこだわるべきだ。これまで地道に進めてきた人材育成などは、地元で高い評価を得ている。日本ができること、得意なことでさらなる協力を進めていきたい。

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