[PR]

 大手電力会社の管内全域で電気が止まる「ブラックアウト」は、社会の安全を揺るがす異常事態だ。まず一刻も早い停電の解消に全力を挙げ、そのうえで問題点の究明や再発防止にも取り組む必要がある。

 北海道で6日に起きた大地震の影響で、道内では一時、ほぼすべての地域が停電した。その後、供給再開が進んでいるが、なお多くの人々が不便を強いられている。

 北海道電力は、引き続き全面復旧を急がねばならない。他の電力大手にも、電力の融通や復旧要員・電源車の派遣などの支援を続けるよう望みたい。

 すぐに動かせる発電所をすべて稼働し、本州からの融通などを受けても、最近のピーク需要にはまだ届かないという。通常の水準で安定的に供給するには、地震で損傷し、大停電のきっかけとなった苫東厚真火力発電所の運転再開が欠かせず、時間がかかるとみられる。

 停電を解消できても、道内の電力需給は綱渡りが続くため、政府は計画停電も選択肢としている。まずは病院など公共性の高い施設に、確実に供給することを優先せざるを得ない状況だ。道内の家庭と企業は、北海道電などが提供する情報にもとづき、節電に努めてほしい。

 今回浮き彫りになったのは、集中型の電力供給体制のもろさだ。北海道電では、泊原発の再稼働にめどがたたないこともあり、地震の発生時、苫東厚真が電力の半分余りを担っていた。主力発電所の緊急停止をきっかけに、需給バランスが一気に崩れ、ドミノ倒しのように次々に他の発電所も止まった。

 発電所の被災に対する想定や備え、事後の対応は十分だったのか。停電の拡大をどこかで食い止められなかったか。一カ所の発電所の停止が全域の停電につながった原因や背景を、北海道電と経済産業省は、専門家を交えて厳しく検証すべきだ。

 北海道電は一つの電源への依存度が特に高かったとはいえ、同社だけの問題ではない。発電所の集中立地のリスクは、東日本大震災の後も指摘された。大手各社は、北海道の教訓を共有し、自社の体制の弱点を洗い出して備えを強めてほしい。

 今回の大停電は、電力大手同士で電気をやりとりする広域の送電線が、被害の拡大を防ぎ、供給再開を早めるうえで力を発揮することも示した。しかし北海道と本州間のように、送電容量が十分ではない地点もある。各地の電源構成などに基づいた必要性や費用を見極めつつ、増強を進めることが大切だ。

こんなニュースも