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 北海道の地震と大規模な停電による経済活動への影響は7日も残った。トヨタ自動車は、道内の子会社の工場からの部品供給が見通せず、週明け10日は大半の工場で操業を見合わせる。休業していたコンビニエンスストアなどは順次営業を始めたが、全面的な再開にはまだ時間がかかりそうだ。▼1面参照

 トヨタ自動車は7日午前、トヨタ車をつくる東北から九州までの国内18の自動車工場すべてで7日夜は稼働すると決めた。だが、生産ペースを落とすため、トヨタの田原工場(愛知県)やトヨタ自動車九州(福岡県)の工場の一部ラインで予定していた8日の休日操業は見合わせることも決めた。10日は、子会社のダイハツ工業の2工場(滋賀県、大分県)を除く16工場でトヨタ車の生産を止める。

 トヨタが慎重なのは、道内からの安定的な部品供給が見通せないためだ。変速機やハイブリッド車部品をつくるトヨタ子会社のトヨタ自動車北海道(苫小牧市)は6日朝から操業を停止。周辺に拠点を構えるトヨタ系のデンソーやアイシン精機の子会社の工場も「建物に大きな被害は出ていない」(アイシン精機広報)ものの、停電解消の遅れから生産設備の点検が進んでおらず、操業再開が見通せない状況だ。トヨタ幹部は「被災した従業員の生活が戻らないと操業再開はできない。代替生産も簡単ではない」と話す。

 出光興産は北海道製油所(苫小牧市)が停止中。停電が続いていて操業再開の見通しが立たず、愛知県と千葉県の製油所で精製したガソリンや軽油を船で道内へ運び始めた。

 凸版印刷は道内2工場が停止していたが、チラシなどを刷る札幌工場(札幌市)に7日から電気が通じ、再開の準備を進めている。王子ホールディングスは、送電が再開された一部の工場は稼働を始めた。

 ■小売店、空輸で商品供給

 道内のコンビニエンスストアやスーパーでは品薄が続いているが、停電が解消した食品工場は少しずつ稼働を再開。流通各社は飛行機やフェリーも使って店舗への商品供給を急いでいる。

 道内最大手のセイコーマートを運営するセコマ(札幌市)によると、約1100店のうち損壊した7店を除く店では、商品が届いて態勢が整い次第、開店している。道内のセブン―イレブン約1千店のうち、7日午後6時時点で約350店で停電が続いているが、営業している店もあるという。店舗に商品を供給する道内の13工場も順次、稼働を再開している。

 セブン―イレブンは6日夜にカップラーメン1200ケース(2万4千個)、7日午前に乾電池約3万個を羽田空港から函館空港に空輸。7日夜までに、2回に分けて計約1万8千個のパンも空輸した。7日朝にはパン約4千個と乾電池・充電器約5500個を青森・八戸港から北海道・苫小牧港にフェリーで運び、店に配送した。

 ローソンは7日は664店のうち約650店が営業している。ただ、7日午後5時時点で約280店が停電中で、日没後は休業する店もある。8日には東北地方からカップ麺などをフェリーで運ぶ予定という。

 イオンは7日中におにぎり1万8800個やパン2万6千個を羽田空港から函館・旭川両空港に空輸した。フェリーでも水やパンを運び、8日までに到着する予定という。

 ■北海道に生産拠点がある企業の被害と今後の見通し

 <トヨタ自動車> 変速機などを生産する子会社「トヨタ自動車北海道」が操業停止。再開は見通せず

 <パナソニック> 電子部品などをつくる2工場を停止。再開は未定

 <京セラ> 電子部品などをつくる北見市の工場を停止。停電が解消次第、8日以降に再開予定

 <新日鉄住金> 室蘭製鉄所が停電と点検のため停止。送電が始まったが電力が足りず、再開のめど立たず

 <日本製紙> 北海道工場勇払事業所(苫小牧市)と白老事業所(白老町)で生産ラインを停止。再開のめど立たず

 <明治> チーズやバター、牛乳などを生産する7工場が停電。2工場は停電が解消したが、全工場で再開のめど立たず

 <カルビー> ポテトチップスなどを製造する2工場が停電で稼働停止。再開のめど立たず

 <サッポロビール> 恵庭市の工場が停電で製造ラインを停止し、出荷も見合わせ。再開のめど立たず

 (7日午後6時時点のまとめ)

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