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 北海道地震はきょうで発生から1週間がたった。多くの人が住む場所を失い、避難生活を続ける。「日常」を少しでも取り戻せるよう、国や自治体は早急に手立てを講じるべきだ。

 厚真(あつま)町などの避難所で生活する人は、きのうの時点で約1600人。全半壊した建物は100を超える。液状化現象がおきた札幌市では、どれだけの住宅が事実上使えなくなったのか、全容はつかめていない。

 避難生活が長引いたとき、一番心配なのは被災者の健康だ。自宅を離れて他人と共同生活することは、心身に大きな負担となる。段ボールベッドや間仕切りの設置、栄養の偏らない食事など、ストレスを軽減する取り組みを進めてほしい。

 おととしの熊本地震では、避難生活で体調を崩す人が相次いだ。これまでに200人超が関連死と認定され、地震による直接死の50人を大きく上回った。大半が60代以上だ。ここから教訓をくみ取らねばならない。

 避難所とは別の選択肢を用意することを急いでほしい。

 札幌市は罹災(りさい)証明の交付を始め、空いている市営住宅への申し込みを受け付けている。自宅の応急修理への援助、民間の賃貸住宅の借り上げ・提供など、被災者が「次」の段階に進むための支援が欠かせない。

 当たり前の話だが、学校の体育館などは人が暮らすことを前提につくられていない。

 自治体は災害救助法にもとづいて避難所を置くが、開設期間は「災害発生から7日以内」と定められている。しかし7日間で被災者が新たな住居を見つけるのは難しい。このため過去の災害では、国との協議で期間が延長されてきた。熊本地震で閉鎖までに約7カ月、比較的短期間だった04年の新潟県中越地震でも約2カ月かかった。

 防災が専門の室崎益輝・兵庫県立大学教授は「数カ月に及ぶ避難所生活は過酷だ」と指摘する。環境の改善に努めるのはもちろんだが、被災者が自力で早く住まいを見つけられるように「現金を直接支給する方法も考えてはどうか」と提言する。

 内閣府は2年前に避難所運営ガイドラインをつくった。だがその解消に向けた記載は「付け足し」の感が否めない。大きな災害が相次ぐなか、避難生活を長期化させない方策を、腰を据えて考えるべきだろう。

 今後、北海道では冷え込みが本格化する。電力供給の全面復旧は11月以降になる見通しで、綱渡り状態が続く。空調設備も不十分な場所での生活で、被害を拡大させてはならない。

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