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 まだ食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」をどうやって減らしていくか。

 製造してから日にちがたったことや商品や包装の傷、外食店や家庭での食べ残しなど廃棄の理由はさまざまだが、関連する業界と家庭での取り組みを両輪に改善していきたい。

 日本での食品ロスは推計で年646万トン(2015年度)。生産から小売りまでの事業者段階と、消費者の手にわたってからがおおよそ半分ずつという。

 事業者に関しては「3分の1ルール」見直しの徹底が急務だ。商品の製造日から賞味期限までの期間を3等分し、小売店への納入は最初の3分の1時点までとする商習慣で、ロスをうむ要因と指摘されてきた。食品業界は数年前から見直しを進めているが、小売業界も協力して対象品目や参加企業・店舗をさらに増やしてほしい。

 家庭で一人ひとりができるロス削減では、楽しむことを重視したりネットで気軽に参加できたりする試みが増えつつある。

 冷蔵庫に埋もれた食材を持ち寄って調理するのが「サルベージパーティー」だ。レシピにとらわれないから意外な取り合わせが見つかり、面白いという。食材をとことん使いきることを強調する料理研究家の本も注目されており、「始末するのがおしゃれ」という考えが広がっているようだ。

 国連世界食糧計画(WFP)は10月、食品ロスと飢餓の問題をセットで考えて解消を目指すキャンペーンをする。ロスの削減では、台所にある無駄にしかねない食材を使った料理の写真をSNSへ投稿するよう呼びかける。投稿された数に応じて賛同する企業から寄付が集まる。

 ネットの活用は民間でも活発だ。残りそうな料理を抱えた店とお得に買いたい人をつなぐ仕組みや、規格外れの菓子などを集めてネットで売り、収益を海外支援に回す企業も登場した。

 余った食品の供給先では「フードバンク」も重要だ。企業や個人から提供された食品を困窮世帯や福祉施設へ融通する仕組みで、家で十分な食事を取れない子どもらが対象の「子ども食堂」を支える。多くはNPOによる運営で、食品とその保管場所の確保などが課題だ。

 与野党は食品ロス削減推進法案(仮称)を準備中だ。大量の食料を輸入に頼る日本にとって食品ロス削減は大きなテーマで、国民がそれぞれの立場から主体的に取り組む必要性をうたう。早く国会に提出して法案審議を進め、どのような支援策が必要か検討を深めてほしい。

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