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 (19面から続く)

 ■有料化、新たな視点示せれば成功 「5年後の世界のデジタルメディア」 ジャレッド・グルスドさん、佐々木紀彦さん

 デジタルメディアをめぐる環境は激変している。ハフポストCEO(最高経営責任者)のジャレッド・グルスドさんは「読者、広告、投資環境について新しい流れがある」と述べた。

 グルスドさんによると、新聞で読まれていたニュースがパソコンやスマートフォンで読まれるようになり、読者一人ひとりの好みや関心に応じたニュースや広告の配信ができるようになった。さらに、欧米では最近、メディアへの投資が注目されるようになっている。読者を獲得しつつ、売り上げも増やせないか。投資先からの要望にメディア側が答えを模索している状況だという。

 経済情報サイト「NewsPicks」CCO(コンテンツ責任者)の佐々木紀彦さんは、様々なメディアの経済ニュースを取り上げてコメントする専門家を中心としたコミュニティーを作り、読者から購読料を得ている自社の事例を紹介。「企業が収益を上げるために必要な経済ニュースは有料サービスが成立しやすい」と語った。

 グルスドさんは「単なる速報にお金を払う時代ではない。より深く掘り下げ、新たな視点を示せる記事なら経済ニュース以外でも有料化は成功するのではないか」と話した。

 会場からは、ニュースや情報を自分で選ぶ時代になったことに対し、「偏った意見が一般論のようになる恐れはないか?」といった質問が出た。佐々木さんは「今後は中立性を保ったマスメディアと、個人の関心に合わせたメディアが併存する形になると思う」と語った。

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 <ジャレッド・グルスドさん> ハフポストCEO 音楽配信サービス会社「スポティファイ」などを経て、2015年から現職。世界16カ国・地域版で展開するグローバルメディア「ハフポスト」を率いる。

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 <佐々木紀彦さん> NewsPicks CCO 1979年生まれ。「東洋経済オンライン」やインターネットメディア「ニューズピックス」の編集長などを経て、18年から現職。

 ■商品一点一点に「ストーリー」 「アタラシイ時間~日本の内と外から見たものづくり~」 山口絵理子さん

 「支援」「援助」ではない発展途上国との付き合い方。それを模索するのが、2006年に設立した「マザーハウス」だ。バングラデシュやネパールに自社工場を持ち、アクセサリーや皮革のバッグを生産する。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」をコンセプトに掲げる。

 「途上国と先進国の関係が覆されるような、途上国は『こんなこともできるんだよ』というのを商品を通して証明したかった」。代表の山口絵理子さん自らがデザインを担当し、途上国の素材に付加価値を与えて商品化する。

 バッグ一つを例にとっても価値観の共有は難しい。「荷物を運ぶ道具」から「ファッション」にどう変えるか。バングラデシュの革職人が、日本の購入者と対面して意識が変わった。「日本でiPhone(アイフォーン)がはやっているなら」と、ポケットを付けることを自発的に提案するようになったという。

 ネット通販が普及し、効率性が求められる時代に、商品一点一点が出来上がるまでの「ストーリー」が大事だという。日本のほか台湾、香港に37店舗ある直営店が、消費者に物語を伝える大切な拠点だ。商品を通じて途上国に興味を持ち、現地の職人と文通をしている愛用者もいるという。

 山口さんは「ピースフルジャパン(平和主義の日本)は、みんなの憧れ。外国人というバリアー(障壁)を減らす勇気を」と、日本から世界に出ていく勇気を訴えた。

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 <山口絵理子さん> マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナー 1981年生まれ。大学で開発学を学んだ後、米国際機関のインターンを経て、バングラデシュに渡る。2006年に起業。

 ■脱炭素社会へ「ゼロエミ」目指す 講演「持続可能な環境先進都市・東京の実現を目指して」 小池百合子・東京都知事

 東京都は、脱炭素社会を見据え、二酸化炭素(CO2)を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション東京」を目指しています。

 走行時にCO2などを出さない車(ゼロエミッション車)の購入費の補助額を増額し、電動バイクの普及にも力を入れます。半年程度の電気供給を太陽光発電だけでまかなう実証プロジェクト(ゼロエミッションアイランド)も小笠原諸島・母島で始める予定です。建築物の省エネルギー化を進める「ゼロエネルギービルディング」にも取り組みます。今年の流行語大賞には「ゼロエミ」が選ばれることを願っています。

 都は温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)をいち早く導入したほか、自治体初のグリーンボンド(債券)を昨年度初めて、200億円規模で発行しました。今後も環境先進都市・東京を築いていきます。

 ■持続的な世界、企業も追求を 来賓あいさつ 中西宏明・経団連会長

 社会の仕組みを根幹から変えるデジタル化とグローバル化が進み、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs〈エスディージーズ〉)」の達成が重要になっています。経団連では、狩猟、農耕、工業、情報社会に続く(5番目の)超スマート社会を「Society(ソサエティー)5・0」と呼んでいます。技術や産業、経済の仕組みを、より人間的で豊かに活用できる社会のことです。その実現を通じ、SDGsの達成を目指します。

 デジタル化が進む中、様々な技術を使い、具体的な課題をデータによって可視化し、解決に向けて取り組んでいます。例えばヘルスケア。診療データを活用し、個人にあったケアのあり方を作り直し、健康寿命を延ばしていく。医療費も下がる。こうしたことが可能になってきている。

 経団連は会員企業に順守を呼びかけている「企業行動憲章」の柱に、SDGsの実現を据えました。今の企業にとって、地球が平和で安定し、持続可能だということが事業の最大の基盤です。企業行動そのものが持続的な世界を作っていくための方向を追求する。全ての企業がこうしたアプローチを取っていくべきではないでしょうか。

 <主催> 朝日新聞社

 <共催> テレビ朝日

 <特別協賛> 旭硝子財団、アデランス、イオン環境財団、NTN、NTTグループ、サントリーホールディングス、凸版印刷、トヨタ自動車、パナソニック、モニターデロイト

 <協賛> エプソン販売、住友林業

 <協力> グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、CNET Japan、日本マーケティング協会、ハフポスト日本版

 <特別共催> 国立科学博物館

 <後援> 外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省

 ◇25日は、帝国ホテル東京で、パリ政治学院教授のパスカル・ペリノーさんらがポピュリズムと民主主義について討論します。また、ゴールドマン・サックス証券副会長のキャシー・松井さんらが女性のリーダーシップについて語ります。内容は明日付の朝刊に掲載予定です。

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