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 少子化の大きな流れのなか、2040年ごろの大学進学者数はいまより2割ほど減り、経営が成り立たなくなる大学が増えると見込まれている。

 そんな時代を見すえ、中央教育審議会の部会が先日、国立大学同士の法人統合や私大間の学部の「譲渡」を可能にする改革案をまとめた。大学間の連携をしやすくして運営の効率化を図る制度改正や、設置基準の見直しも盛りこまれている。

 経営破綻(はたん)によって学生が行き場を失うことがないよう対策を講じておくのは社会の責任だ。実現を急がねばならない。

 特に心配されるのが地方の小規模大学だ。なくなると地域の灯が消えるだけではない。都会と地方の進学機会の格差はますます広がる。県外の大学に進むには多くの経費がかかる。経済的な理由で進学を断念する子を生まないためにも、一定の規模で地方に大学は必要だ。

 もちろん、存続しさえすればいいという話ではない。それぞれの地域で、大学の果たせる役割を再確認し、強みを生かす道を探ることが求められる。

 参考になる動きが前橋市で進む。市内にある国公私立の6大学・短大と商工会議所、市役所の三者が手を結び、地域人材の育成と定着のために知恵を出し合う協議の場を設けた。

 大学が活性化すれば、地元に就職して産業を支える人材が育つ。保育士不足や中小企業の後継者難といった地域の課題に対しても、大学は社会人の「学び直し」の場を提供するなどの貢献ができる。そんな共生の関係を築き、地域に活力を生み出す。そのために、それぞれ何ができるか、何をすべきかを検討する場にしていくという。

 参加する共愛学園前橋国際大の大森昭生学長は「学問分野が異なる6大学・短大が組めば、大きな総合大学ができるのと同じ」と話す。単なる生き残り策ではない、「連携」の可能性に期待を寄せる。

 他大学との協力により、自校にはない分野の講義を受けられるようにする試みも広がる。

 京都工芸繊維、同府立、同府立医科の3大学は、4年前に教養教育の共同化を始めた。年に82の科目が用意され選択の幅は格段に広がった。学生の半分は他校の講義を経験するという。

 連携による教育内容の充実は大学の魅力を高め、学生の成長につながる。どの大学からも通いやすい講義場所の確保や学生の移動に必要な費用など、運営コストの一部を公費で援助することも含め、意欲のある大学を社会全体で後押ししたい。

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