[PR]

 立憲民主党があす、結党から1年を迎える。「安倍1強」のもとで失われた政治の緊張感を取り戻し、健全な民主主義を育むうえで、野党の役割は極めて重い。来夏の参院選に向け、野党第1党の真価が問われる。

 「政権の選択肢となり、遠からず政権を担う」。枝野幸男代表は結党1年を前に開かれた党大会で、そう決意を語った。

 だが、現状は厳しい。党所属国会議員は衆参合わせて80人に満たず、400人を超える自民党の5分の1以下。野党勢力が分立する「1強多弱」の国会では、政権・与党による強引な国会運営に歯止めをかけることも難しい。

 森友・加計問題など、政権の疑惑や不祥事が後を絶たないというのに、野党への期待は高まらない。本紙の直近の世論調査では、ピーク時に17%あった立憲の支持率は5%にまで落ち込んだ。地方の組織づくりも33都道府県にとどまっている。

 党勢立て直しに向けた、さまざまな試みは見て取れる。

 「立憲フェス」と銘打った先の党大会では、「原発ゼロ」や地方政治などをテーマに、支持者と議員らのワークショップをネットで中継した。綱領に「草の根からの民主主義」を掲げ、有権者との対話を通じて政策を練り上げていこうという立憲ならではの取り組みといえる。

 「多様性」を重視する観点から、参院選の比例区候補の4割以上を女性にし、LGBTの候補を擁立する方針も掲げた。

 いずれも、異論を排除し、丁寧な合意形成よりも、トップダウンで政策を推し進める安倍政権の政治手法に対する明確な対立軸となりうるものだ。

 国民一人ひとりの安心につながる確かな政策を提示することも忘れてはならない。

 枝野氏は党大会で「日本社会の現状をどう捉え、どのような未来を望むのか。未来の青写真こそが問われる」と述べた。ならば、持続可能な社会保障など、中長期的な課題を先送りし続けている安倍政権に代わって、具体的な選択肢を正面から提示してほしい。

 巨大与党に対抗するには、国会運営でも選挙戦術でも、野党の連携が欠かせない。野党間の主導権争いではなく、各党が持つ多様性を力に変える。その結集軸をつくるのもまた、野党第1党の役目である。

 1強政治の弊害があらわになる中、現状をよしとしない民意の受け皿になれるか。「草の根」「多様性」といった原点を忘れず、愚直に地力をつけるほかに道はない。

こんなニュースも