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 災害が起きて孤立してしまったら、自力で何日間生活できるか。最近あいつぐ台風や豪雨、地震を機に、日ごろの準備の大切さを再確認したい。

 停電が広範囲に及んだ北海道地震から、あさってで1カ月になる。当時スーパーやコンビニには行列ができ、食料や飲料水が棚から消えた。物流は滞り、自宅の水道も出ない。多くの家庭で不便な日々が続いた。

 大規模災害に備え、3日分のストックを――。内閣府はそう呼びかける。発災直後は行政も機敏に動けず、救助や支援の手が行き届かないためだ。

 実際には、冠水や土砂崩れ、地盤沈下などによる交通網の寸断で、身動きがとれない期間はさらに長くなる恐れがある。できれば1週間程度の備蓄があった方がいいだろう。

 首都直下地震が起きたら、ライフラインが壊滅的な打撃を受け、復旧に電気は7日、水道は30日、ガスは60日かかると想定される。避難所が設けられるといっても、人が殺到して全員が入れないことも考えられる。

 東京都は「在宅避難」を前提に、食べ物や日用品を用意しておくよう都民に求めている。11月19日を「備蓄の日」と定め、年に1度の確認を促す。

 南海トラフ地震では、発生翌日に最大約430万人の避難者が見込まれる。政府の中央防災会議は、農産地や加工工場も被災し、3日間で最大約3200万食が不足すると予想する。

 だが、平時の備えが家庭に浸透しているとは言えない。

 日本気象協会の調査によると、備蓄には「3日分×家族の人数」が必要であることを知っているかとの問いに、47%の人が「知っている」と答えたが、実際にその量を確保できているのは2割にとどまった。

 食料などがムダになるのを嫌う人もいる。だが、日ごろ使う物を少し多めに買っておくことで、無理なく備蓄できる。使った分を買い足し、常に一定量にしておく「ローリングストック法」だ。これなら鮮度を保ち、いざという時でも日常に近い食生活ができるだろう。

 水や食べ物だけではない。よく指摘されるラジオや簡易トイレ、常備薬などについても、点検を怠らないようにしたい。

 公助を担う自治体には、必要な物資を備蓄し、企業と協定を結んで流通在庫を確保しておく責任がある。だが、行政頼みだけでは立ちゆかないことを、多くの災害は教えている。

 台風25号の様子も気になる。まず3日分。小さな備えが、災害時の大きな助けになる。

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