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 公明党が2年ぶりに党大会を開き、新体制が動き始めた。09年から代表を務める山口那津男氏が続投し、幹事長は長く務めた井上義久氏から斉藤鉄夫氏に交代させた。

 山口氏は安倍内閣を引き続き支える考えを示した。だがそれだけでは、自民党の補完勢力と言われても仕方ない。

 ここ数年で「平和の党」の看板はすっかり色あせ、1強政治の歯止め役にもなれずにきた。現状を反省し、政権内でもの言う姿勢を強めなければ、草の根の有権者の思いと離れていくばかりではないか。

 自公両党は、99年に連立して以来、野党時代をはさんで20年近く行動をともにしてきた。日ごろの政策づくりや予算編成、国・地方での選挙協力に至るまで、切っても切れない依存関係にある。世論が割れる問題で公明党が結局、連立維持を優先させ、強引な政治手法に追随してきたのも、そのためだろう。

 支持母体の創価学会にも異論が多かった安全保障関連法やカジノ実施法も、自民党とともに強行成立させた。森友・加計問題でも、疑惑解明に真摯(しんし)に取り組むよう、首相や自民党に迫った形跡はうかがえない。

 与党として内側から政権をチェックし、民意を反映させていく。そんな役割を求めるのは、ないものねだりなのか。

 9月末の沖縄県知事選では、自公が全面支援した候補が、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城デニー氏に大差で敗れた。公明党県本部は移設に反対しており、支持層の一部が離反したことは出口調査で明らかだ。党執行部はこの結果を深刻に受けとめるべきである。

 正念場は、首相が意欲を示す改憲への対応だ。ここでも首相に従うようでは、戦後日本の価値観を大切にしてきた党の存在意義が問われよう。

 自民党は月内に召集予定の臨時国会で、9条への自衛隊明記を含む改憲4項目を憲法審査会に提示し、各党と協議入りするシナリオを描く。だが、ほかに優先すべき重要課題が山積するなか、幅広い国民合意が不可欠な改憲論議を性急に進めることなどあってはならない。

 公明党が提示前の事前調整に応じなかったのは当然だ。前のめりな安倍自民党へのブレーキ役を期待する。

 昨年の衆院選で公明党は、比例区の得票が700万票を下回り、選挙区と合わせ、公示前から5議席減らす苦戦となった。来年の統一地方選、参院選に向け、首相への追随だけでは展望は開けないと知るべきだ。

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