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 第71回新聞大会(日本新聞協会主催)が16日、仙台市で開かれ、全国から約480人が参加した。今年度の新聞協会賞の授賞式があり、朝日新聞社の「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」(編集部門)と「編集部門向けデジタル指標分析ツール『Hotaru(ホタル)』の開発」(技術部門)など、計6件が表彰された。

 授賞式で、森友学園と財務省の土地取引をめぐる公文書改ざん報道を担当した羽根和人・朝日新聞大阪本社社会部次長(前東京本社社会部次長)は「今回、一人でも多くの人がジャーナリズムの意義を認識してくれたなら、それに勝る喜びはない」とあいさつした。

 Hotaruは、朝日新聞デジタル上の記事が読者にどのように読まれたかを記者や編集者が見えるようにするツール。開発した同東京本社の野口みな子・編集局員は「新聞を中心にアウトプットを考える記者に、いかにデジタルを身近に感じてもらうかを意識した」と話した。

 編集部門の他の受賞作は、毎日新聞社のキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」と、河北新報社の連載企画「止まった刻(とき) 検証・大川小事故」。

 新聞社などの社長らの座談会では「新聞力を磨く経営戦略」をテーマに議論を交わした。

 若者の読解力低下などに関する講演を踏まえ、コーディネーター役の白石興二郎・読売新聞グループ本社会長は、「次の世代を新聞読者に変えてゆけるのか」と懸念を表明。NIE(教育に新聞を)の取り組みをめぐり、丸山昌宏・毎日新聞社長は「業界全体でスクラムを組むことが必要」とした。

 渡辺雅隆・朝日新聞社長も会場から発言。「かつてのように世帯に必ず新聞がある時代ではない。人々の生活の中に、私たちが持つ質の高いニュースをどう入れていけるかが問われている」と話した。(編集委員・石橋英昭)

 ■第71回新聞大会決議

 東日本大震災以降も各地で災害が多発し、人々の平穏な生活を脅かしている。政府における公文書の改ざん・隠蔽(いんぺい)は、事実に基づく議論によって成り立つ民主主義の根幹を揺るがした。正確で有用な情報を届け、真実を追究するジャーナリズムの役割はますます大きくなっている。

 明治以来150年、新聞は苦難の時代を経験しながらも日々の歴史を記録し続けてきた。さまざまな情報が行き交う今日、私たちはより一層信頼されるメディアとして、公共的・文化的使命を果たし、国民の知る権利にこたえていくことを誓う。

 併せて、読者が新聞を購読しやすい環境を維持するためにも、消費税率の引き上げ時には新聞への軽減税率が確実に適用されるよう求める。

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