(書評)『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』 藤井一至〈著〉
■人類を養う足元の未知の世界
土は地味、その研究者も。「業務として土を掘っているにもかかわらず通報され、職務質問を受けることすらある」。評者が学んだ地学でも似た話を耳にした。野外調査中に怪しまれた教授は「この石の中に目に見えない小さな化石が……」と有孔虫化石の説明を始めると、今度は哀れみの目が向…
■人類を養う足元の未知の世界
土は地味、その研究者も。「業務として土を掘っているにもかかわらず通報され、職務質問を受けることすらある」。評者が学んだ地学でも似た話を耳にした。野外調査中に怪しまれた教授は「この石の中に目に見えない小さな化石が……」と有孔虫化石の説明を始めると、今度は哀れみの目が向…