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 朝日新聞が始めたアルバム・写真のデジタル化サービス「ニッポン写真遺産~思い出まるごとスキャン~」は、累計の受注枚数が約100万枚に達しました。今回は、ネガフィルムの劣化に直面したお客様の話を紹介します。(樋口慶)

 ■SL雄姿、デジタル化

 今年8月、スキャンセンターに、昔の蒸気機関車を写したネガフィルム約30本が届いた。しかし、その大半が丸くカールしていて、一部に溶けたような跡も広がっていた。

 依頼主は、神奈川県大和市の芳賀和士さん(83)。1960年代から70年代にかけて、当時の国鉄奥羽線や花輪線、小海線、関西線、伯備線など、全国各地で撮影したものだ。

 幼い頃からSLファンだったという芳賀さん。30歳を過ぎたころ、勤め先が週休2日制になり、土日を使って撮影旅行に出かけるようになった。お目当てのSLが来るまで、雪の中で3時間待ったこともある。

 39歳で結婚して、撮影旅行に出る機会は減っても、独身時代に撮りためたネガはずっと保存してきた。

 しかし、今年になって写真の整理を始めたところ、ネガの異変に気づいた。丸まっていたり、水が浮かんだようになってシートにくっついていたり。「しまった、と思いましたよ。まったく想定外でしたので」

 これはビネガーシンドロームという現象で、フィルムを通気性の悪いところで長期保管していると発生のリスクが高まる。芳賀さんは「あまり使わない部屋の戸棚にしまっていた。風通しのことなど考えていなかった」と悔やむ。

 デジタル化後の画像には、白く飛んだ部分があったり、ひび割れのような筋があったり。芳賀さんは「一部に影響が出たのは残念だが、放っておいたらもっと悪くなっていたはず。今デジタル化しておいて良かった」と話している。

 ■密閉せず、乾燥し涼しい所に

 ビネガーシンドロームは、フィルムを長期保存する際に最も気をつけなければならない現象だ。

 フィルム素材のセルロースアセテートが、高温多湿の環境下で加水分解し、酢酸を発生。その過程でフィルムは丸まったり波打ったりして縮み、溶融や癒着を起こす。進行すると元に戻せない。酢酸臭が感じられたら、危険信号だ。

 写真整理アドバイザーの資格試験を運営する一般社団法人写真整理協会理事の浅川純子(すみこ)さん(52)は「フィルムは湿気や高温に弱い。乾燥した涼しいところに保管し、密閉せず定期的に外気に触れさせる必要がある」として、「大切なフィルムはデジタル化しておくと安心。酸っぱい臭いがしてきたら急いで対応してほしい」と話している。

 ■「写真整理お手伝い」説明会 来月、東京本社

 朝日新聞社は、専門家が写真整理をサポートするオプションサービス「写真整理お手伝いプラン」の無料説明会を11月に開きます。

 本プランは、東京(島しょ部を除く)、神奈川、埼玉、千葉の1都3県が対象で、写真整理アドバイザーの有資格者がお客様宅を訪問。デジタル化前の写真の取捨選択・並べ替えや、デジタル化後の写真集づくりなどをお手伝いします。

 説明会概要は次の通り。

 (1)11月13日午前10時30分(2)同27日午後2時、いずれも東京・築地の朝日新聞東京本社で。電話予約が必要で、締め切りは(1)11月6日(2)同20日。申し込み多数の場合は抽選。詳しい案内や予約申し込みは下記コールセンターへ。

 ■約4千枚、1枚のディスクに

 「ニッポン写真遺産」は家庭のアルバムやプリント写真をお預かりしてスキャンし、画像データと一緒にお返しするサービスです。約4千枚のL判写真が、パソコンで閲覧できるDVD―Rディスク1枚に収まります。部屋の片付けやお子さんへの引き継ぎに便利です。自分史作りの準備にも最適。スマホで思い出を持ち運ぶこともできます。詳しくは下記へ。

 ■ウェブサイト

 https://shashin-isan.asahi.com/別ウインドウで開きます

 ■コールセンター

 東京03・6868・8255

 大阪06・7878・6588

 

 ■みんなのお宝写真館、開設

 当サービスの公式サイトに、お客様から寄せられた歴史的に貴重な写真、印象に残る写真を紹介する「みんなのお宝写真館」のコーナーを開設しました。

 これまで新聞紙面に掲載した写真のほか、紙幅の都合で載せられなかった写真も紹介しています。

 URLは下記の通り。

https://shashin-isan.asahi.com/column/exhibition/別ウインドウで開きます

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