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 国会は行政監視の責務を十分に果たしただろうか――。

 先の通常国会閉会後に、大島理森・衆院議長が、そんな異例の談話を発表してから3カ月。臨時国会の本格的な論戦が、衆院予算委員会で始まった。

 森友問題をめぐる財務省の決裁文書改ざん、陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報隠しなど、一連の政府の不祥事を受け、大島議長は立法府に対しても「深刻な自省と改善」を求めた。

 その責任は、政権を支える与党こそ、より重く受け止めるべきだ。しかし、きのうの自民、公明両党の質問を見る限り、自民党出身でもある議長の問題意識は全く共有されていないと見ざるを得ない。

 今なお、世論の多くが納得していない安倍首相の森友・加計問題も、片山さつき・地方創生相に生じた口利き疑惑も、与党からは一切質問がなかった。

 外国人労働者受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案については、自民党の岸田文雄政調会長が取りあげはした。

 しかし、党内でも異論があり、法案の承認にあたって、関係する党の部会が、政府にさまざまな注文をつける決議を行っているにもかかわらず、「移民政策ではない」という安倍首相らの説明に簡単に理解を示した。「国民にわかりやすい説明を」と求めるだけで、具体的な懸念や疑問をぶつけることはなかった。

 「法律が成立した後も、基本方針、省令、政令、様々な形でしっかりとした制度を構築していかなければならない」と、法成立を見越した見解を示すに至っては、もはや驚くばかりだ。

 公明党の石田祝稔(のりとし)政調会長も、学校へのエアコン設置や消費増税に伴うプレミアム商品券の発行など、党が力を注ぐ政策への注文が大半。政権を内側からチェックし、強引な政治にブレーキをかける役回りは期待できないということか。

 首相や麻生財務相ら、政府側の紋切り型の答弁も相変わらずだった。

 立憲民主党の長妻昭・代表代行は、公文書改ざんの政治責任にふたをした麻生財務相の続投を厳しく批判した。

 しかし、首相は「組織立て直しの先頭に立ってほしい」とかばい、麻生氏は「後世の歴史家の判断を待たねばならない」と開き直った。これでは、「責任を痛感」「真摯(しんし)に反省」と繰り返されても、言葉だけと疑わざるを得ない。

 政府・与党がこんな姿勢では、到底、国民の負託に応える国会論戦にはならない。

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