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 不適切な税金の使い方はなくならず、借金は増えていくばかり。そんな悪循環から、いつ抜け出せるのか。

 2017年度の国の決算について、会計検査院は374件、金額では1156億9880万円に問題がある、と指摘した。ほとんどの省庁が対象だ。憲法で義務と定められて納めた税金の使い方がこれでは、国民は納得できないだろう。

 地方創生を掲げた交付金、子育て支援や再生可能エネルギーの補助金などでは、必要な条件を満たしていなかったり、対象期間外の経費が含まれていたりした。学校の改修や耐震化工事では、面積や費用を過大に算定し、規定より多くの交付金を受け取る自治体があった。

 農地がない、あるいは荒れていて耕作できないのに、津波や高潮から農地を守るための堤防や護岸施設に、事業費が払われたケースもある。公募して、有償で使用許可を与えることもできるのに、民間の駐車場などに無断で使われていた防衛施設周辺の国有地もあった。

 検査院は、ふくらむ社会保障費が財政に大きな影響を与えていることを踏まえ、年金制度の運用についても指摘した。

 現役世代が将来もらう公的年金の水準が保てるよう、給付を調整するマクロ経済スライドのしくみは、04年度の導入以来、発動は1回だけ。名目の年金額を、前年より減らさない決まりがあるためだ。ただ仮に毎年度発動できていたとすると、給付の抑制額は、16年度までの累計で国費分で約3兆3千億円になる、と試算した。

 世代間の公平の観点から負担を分かち合うには、しくみをきちんと機能させる必要がある。

 今年9月末の国の借金(国債及び借入金などの残高)は1091兆7千億円で、1年間で11兆3千億円増えた。税収を上回るお金を政策に使い、これまでの借金を返すどころか、さらに借金を増やし続けている。

 政策にかけるお金と税収を均衡させる財政健全化目標の達成時期は、これまでも繰り返し先送りされてきた。税収増を自負する第2次安倍政権でも、めどはたっていない。

 暮らしに必要な政策を続けるためにも、負担増は避けて通れない。その大前提は、私たちが納得感を持てる税金の使い方を、国がしていくことだ。

 森友問題では、国有地を大幅値引きして売ったことの妥当性が問われた。納税者は厳しく見ている。政治家も各省庁も、税の使い道、使い方を真剣に精査しなければならない。

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