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 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を2020年以降に始動させられるかどうか、重要な局面である。

 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP〈コップ〉24)が来月2日、ポーランドで始まる。

 パリ協定は、産業革命からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えることをめざす。すべての国が温室効果ガスの削減目標を示し、対策に取り組むことになっている。

 COP24では、発効ずみのこの協定を実際に動かすために、運用ルールを話し合う。国別の削減目標にどんな内容を盛り込むか。排出量をどう算定し、目標の達成度をいかにチェックするか。項目は多岐にわたる。

 世界2位の排出国・米国のトランプ政権は協定からの離脱を表明した。ここで交渉が頓挫すれば、温暖化対策の機運がしぼむ。一部の項目は来年の会議に積み残しそうだが、ルールの大枠は固めなければならない。

 気がかりなのは、先進国と途上国の基本姿勢の違いが、交渉に影を落としていることだ。

 先進国は「すべての国が同じルールの下で排出削減に努めるべきだ」と唱える。途上国は「現在の気温上昇は先進国の過去の排出が主因。ルールが同じなのはおかしい」との立場だ。

 確かに先進国には歴史的責任がある。ただ、中国とインドで世界の排出量の3分の1を超えるいま、途上国に配慮しすぎると協定の実効性が損なわれかねない。お互いが歩み寄り、世界全体の排出削減につながるよう知恵を出し合ってほしい。

 今回のCOP24には、もう一つ大きな課題がある。温室効果ガス削減の国際的な機運を、さらに高めていくことだ。

 国連の気候変動に関する政府間パネルが出した特別報告書によると、各国が既に掲げる目標を達成しても、気温の上昇幅は今世紀末には3度に達する。そうなると異常気象や自然災害による深刻な被害が避けられない。パリ協定下で5年ごとに国別目標を見直す際、削減量を増やしていかねばならない。

 その環境を整えようと、フィジーの言葉で「開かれた話し合い」を意味するタラノア対話が、各国政府や自治体、企業などが参加して続けられている。

 COP24でも閣僚らのタラノア対話がある。日本は来年のG20議長国として、対話をリードする役割を果たすべきだ。

 パリ協定が15年に採択されてからの3年間で、脱炭素社会に向けた世界の動きは力強さを増した。その流れを揺るぎなくする国際社会の決意が問われる。

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