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 来年度予算案や消費増税対策と並行して、政府内では今年度の第2次補正予算案がつくられている。「景気をしっかりと下支えできるよう、切れ目のない対策を講じ、万全を期す」と、安倍首相が編成を指示した。

 「切れ目のない対策」は、「やめられない対策」になってはいないか。

 「下支え」の具体的な項目には、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の緊急対策」「TPP(環太平洋経済連携協定)の早期発効に向けた農林水産業の強化」「中小・小規模事業者への支援」が挙がっている。

 「農林水産業」「中小企業」は、第2次安倍政権で編成された9回の補正予算で、ほぼ定番となっている。農林水産業では「活力発揮」「輸出促進」などを掲げ、毎年のように盛り込まれてきた。2015年度以降は、3千億円超をTPP関連と位置づけている。中小企業のものづくりなどを支援する政策にも、毎年1千億円程度が計上されてきた。

 既視感のある政策が目につくのは、あらかじめ想定されていたのに当初予算に入りきらなかったメニューを並べ、補正を組むことが、年中行事のように繰り返されているためだ。

 このままでは、消費増税対策が終わった後や東京五輪の後にも、「景気を下支えする」といっては補正を組み、定番の事業を精査もせずに続けることになりかねない。

 首相が第2次補正予算の編成を指示したその日、財政制度等審議会は建議を公表し、「当初予算のみならず、補正予算も一体として歳出改革の取り組みを進めるべきだ」と指摘した。補正は当初に比べ、歳出を絞り込もうという規律が働きにくい、との認識からだ。

 建議は、平成で最初に編成した1990年度予算は赤字国債から脱却したのに、平成が終わるいま、軍事費調達のために多額の国債を発行した第2次世界大戦の末期の水準に借金が積み上がった歴史にも言及。「過ちを二度と繰り返すことがあってはならない」と訴えた。

 政府も、財政健全化が遅れた一因に、平均で年約5兆円という諸外国より相対的に大きな金額を補正に計上してきたことがある、と分析していた。6月にまとめた骨太の方針には「補正予算も一体として歳出改革の取り組みを進める」と明記した。

 政府は骨太の方針に立ち返り、真剣に問い直すべきだ。

 第2次補正予算に計上しようとしている事業は、本当に緊急に必要なのか、と。

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