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 相も変わらぬ不透明な実態に暗然とする。これでは、国民の政治不信はますます募る。

 総務省が昨年の政治資金収支報告書を公表した。

 政党には年間約300億円の交付金が支給され、共産党を除く各党が受け取る。自民党では、収入260億円弱のうち176億円と、約7割を占める。

 税金を含む資金を扱う以上、その使途をより丁寧に明らかにすべきなのに、そんな姿勢は全くうかがえない。例えば、衆院解散に際し、自民党は「政策活動費」として二階俊博幹事長に5億円強を渡したが、二階氏個人への支出のため、その後の流れをたどることはできない。

 そもそも、政党交付金の導入に際し、企業・団体献金の禁止が検討された。結局、政治家個人向けを禁じただけで、政党への献金は温存された。交付金と献金の「二重取り」をいつまで続けるつもりか。

 資金の出所が見えにくいパーティー頼みも強まるばかりだ。

 朝日新聞の集計では、国会議員の資金管理団体が支援者から受けとった収入のうち、パーティーによるものが7割を占めた。1回20万円以下のパーティー券購入者は報告義務がないため、購入額のうち実に94%は、誰によるものかわからない。

 パーティーの記載義務を、通常の寄付と同じ5万円超とする法改正を急ぐべきだ。

 大規模なパーティーの自粛を求める大臣規範があるにもかかわらず、首相や当時の閣僚が軒並みパーティーを開いていることも見過ごせない。

 安倍首相は3回の朝食会で、7305万円を集めた。経費は500万円なので、6800万円の稼ぎだ。麻生太郎財務相、塩崎恭久厚生労働相、林芳正文部科学相らも、1回で1千万円を超えるパーティーを開いた。

 閣僚の政治活動について、透明性と中立性を保つために設けた規範はどこへ行ったのか。

 パーティーをめぐっては、この夏、古屋圭司・前衆院議院運営委員長の収入の過少記載疑惑が浮上した。参加者から会費を集める集会を開きながら、パーティーではないとして、一切記載しない事例も発覚した。

 片山さつき地方創生相は収支報告書を4回も訂正した。問題が発覚しても、あとから修正すれば許されるというのでは、報告書への信頼は地に落ちる。

 政治活動を「国民の不断の監視と批判の下に」置くことで、「活動の公明と公正を確保」する。この政治資金規正法の原点を、すべての政治家が今こそ見つめ直すときだ。

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