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 子どもの多くは既にスマホを持っている。スマホとどう付き合うか。教師や親だけでなく、子どもと一緒に考えたい。

 大阪府が、公立の小中学校の児童・生徒に、来春からスマホや携帯電話を持って登校することを認める。文部科学省は2009年、教育活動に直接必要ではないとして学校への持ち込みを原則禁止する通知を出しているが、独自に「解禁」する形となる。

 今年6月の大阪北部地震が登校時に起き、子どもの安否確認に手間取った保護者から不安の声が上がった。それを受けての対応で、校内での使用は引き続き禁じる。学校から生徒へスマホを使って連絡することは予定せず、実際に解禁するかどうかや解禁時の具体的なルールは市町村教委や各学校に任せる。

 内閣府の17年度の調査によると、小学生の55%、中学生の66%がスマホや携帯電話を使っている。登校時に加えて、放課後も塾や習い事、学童クラブなどで保護者と離れて過ごす子は多い。大阪府の判断は現状を踏まえたともいえるだろう。

 だが、懸念や課題は多い。

 まず、「校内では使わない」をどう実行するかだ。先生が生徒からスマホを預かることが考えられるが、先生の負担増、紛失や盗難、破損に伴う責任のあり方など、難しい問題がある。

 府の方針を受けて、子どもがスマホを持たない親からは、さっそく「持たせた方がよいか」との相談が寄せられているという。所有を強いることにならないよう、配慮が必要だ。

 何より重要なのは、これを機に、歩きスマホの危険性や依存症、ネット上のいじめやトラブルなど負の側面にも目を向け、生徒一人ひとりが賢く使えるようになることだろう。

 府は来年2月に指針をまとめる予定で、SNSとの向き合い方や使用時間の目安なども盛り込むという。ただ、学校や地域によって状況は異なる。指針を参考にしながら、クラスから学年、学校へと議論を積み重ねてほしい。

 学年が進めば、生徒に検討を委ねるのも一案だ。

 東京都の調布市立第四中では、学校への持参は禁止だが、生徒会が中心になって「SNSルール」をつくった。友達や家族と直接話す時間やスマホを使わない時間を設けることなど、8項目を申し合わせた。

 次々と登場するモノやサービスのメリットを生かしながら、デメリットは抑える。スマホ問題を、そんな意識や姿勢を養う機会としたい。

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