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 ツイッターが好きなのは、視聴率の数字から人の声は聞こえてこないからです。でもツイッターでは、みなさん自分の言葉で、作品の感想をくださいます。会ったこともない、離れているファンの方の声を聴くことができる。

 NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(4~9月放送)の脚本の執筆中、作品についてたくさんつぶやきました。作る過程に興味がある人にはより作品が豊かに感じられるかもしれないし、「今、まさに作られている」という臨場感も伝えたかった。そして作品を作る楽しさをほんの少しでも共有したかったのです。

 以前から、ツイッター上での「コール&レスポンス(やり取り)」を生かしています。今回は主人公の鈴愛(すずめ)が青春時代を過ごしたバブル時代の思い出を皆さんに尋ねたら、「私の『バブル』はこうだった!」とか、イカ天、ティラミスの話で盛り上がりました。まるで皆でそこで飲み会してるみたいで楽しいんです。

 調査して統計を取るのとは違い、生の言葉で、人間の熱量が感じられる。「あの頃の車はクーペが流行していて、3ドアではモテなかった」と、思わず笑ってしまうリプライもありました。おかしくて、了承を取って、作品にそのまま書きました。

 でも、私のやっていることがネットニュースで「画期的である」と好意的に取り上げられると、次第に「賛否両論」という雰囲気になり、バッシングに変わりました。私は、ニュースが世論を誘導することがあると感じます。ごく少数の意見が「キャッチーだ」と判断されて報じられると、人々はその意見が世間に浸透しているかのように認識する。「ああ、これがネットなのだな」と、冷めた思いで見ていました。

 朝ドラの放送中は、ネットの賛否両論の中で、つぶれないようにしようと思いました。自分の信じるものを書くのだ、と奮い立たせました。そして、それを応援してくれる人たちを大事にしようと思いました。その方が、作品が面白くなるからです。否定されて、反省し、面白いものを書ける作家を私は知りません。勢いがなくなっていくだけです。

 自分に本当に必要な人を探し、たどり着くのが人生なら、ネットの世界も同じことだと思います。

 自分に必要な意見や情報にたどり着くことが大事であり、それはその人の人生をより良くするものであるはずです。(聞き手・丸山ひかり)

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 きたがわ・えりこ 脚本家 1961年、岐阜県出身。89年脚本家デビュー。「ロングバケーション」などヒット作多数。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」を手がけ、DVDが発売中。

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