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 インターネット上の様々なサービスは、今や日々の生活に欠かせないインフラだ。その多くを一握りの巨大IT企業が提供している。市場の独占や不透明な運営で消費者の利益が損なわれないようにする必要がある。

 政府は未来投資会議で、「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」を決めた。プラットフォーマーとは情報技術やデータを使い、ネット上にサービスの「場」を提供する事業者を指している。米国のグーグルやアマゾン、フェイスブック、アップル、日本企業では楽天やヤフーが念頭にある。

 基本原則は、こうした事業は社会経済の基盤を提供する一方、運営のされ方に不透明性があるとの認識を示した。適切な発展を促しつつ、透明性の向上や公正・自由な競争の実現、内外の事業者の競争条件を同等にすることなどを目指すという。

 具体的には、▽実態把握のための大規模で包括的な調査▽法の執行や政策立案に必要な専門組織の創設▽「場」に適用されているルールや取引条件の開示▽消費者が自分のデータを他のサービスに移せる仕組み――などが検討されている。

 ネットの普及前には想定されていなかったビジネスが生まれ、国境を超えて独占、寡占が進む現状を踏まえれば、施策の方向性はうなずける。

 ネットやデータに顕著な「規模の利益」そのものは、消費者にとっても有益だ。だが、独占は価格引き上げにつながるだけでなく、小規模な取引先が著しく不利な立場に置かれたり、消費者の選択肢を狭めたりする弊害がある。利害得失を見極めながら、対策を進めるべきだ。

 基本原則は、消費者がサービスを受ける代わりに自分のデータを事業者に渡す取引について、企業による優越的地位の乱用を規制することも検討するという。データの提供がどこまで「対価」にあたるのかなども含め、現行の法制度を変える場合は十分な議論が必要だろう。

 一方で、消費者が知らないうちに事業者側がデータを不当に利用することがないようにする制度は、個人情報保護の観点からも整備する必要がある。欧州などでは、国外事業者への課税のあり方も議論されている。検討課題の一つだろう。

 ルール整備にあたっては、技術の進展を妨げず、新規参入が起きやすくなるような観点は必要だ。だが、旧来型の産業政策のような政府による「育成」路線は無益であることを、忘れるべきではない。

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