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 改正出入国管理法の成立を受けて、政府はきのう、「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」と、新たに設けられた在留資格「特定技能」の運用方針を正式決定した。

 共生策には126もの施策が並ぶ。だが詳細は未定・不明なものが多く、準備不足ぶりがかえって際立つ形となった。これまでも政策目標に掲げられながら、掛け声倒れに終わっているものもある。今後、どうやって実効性を確保するのか、政府の取り組みが問われる。

 とりわけ懸念が大きいのは、言葉の問題だ。

 一定レベルの日本語が使えなければ、仕事だけでなく、生活ルールの周知や地域住民との交流にも支障をきたす。病気やけが、犯罪に遭った時のことを考えても言葉は極めて大切だ。

 にもかかわらず政府は従来、外国人が多い自治体やNPOに対応を丸投げしてきた。今回、そうした活動に対する「支援」を打ち出したものの、具体的にどんなことを、いかなる手続きで進め、どれくらいの予算を投じるのか、共生策から読み取ることはできない。

 今でさえ十分とはいえない、日本語を教える人材の数と質をどう確保するかも不透明だ。NHKの日本語講座や音声翻訳アプリの利用促進などが盛り込まれているが、果たしてどれだけ役に立つだろうか。

 外国人受け入れを進めてきたドイツなどでは、国が責任をもって数百時間の語学研修を実施している。彼我の違いは明らかだ。同様の仕組みを今からでも検討・実践すべきだ。

 劣悪な労働環境の改善も、早急に取り組むべき課題である。

 新設される「登録支援機関」が、受け入れ企業の委託を受けて外国人労働者の苦情対応や転職支援などにあたることになっているが、運営資金は企業が負担する。そのような組織に本当に外国人の側に立った支援が期待できるのか。国会でも指摘されたが議論は深まらず、いまも疑念は残ったままだ。

 政府が「真に必要な業種にのみ認める」としていた派遣労働も、農業と漁業で導入されることになった。直接雇用に比べて目が届きにくいのは明らかだ。

 労働法令に違反する行為があっても、これまで政府は多くを見逃してきた。姿勢を改め監視の実をあげることなしに、信頼回復はないと知るべきだ。

 今回の決定を踏まえた国会審議が来月に予定されている。政府案の単なる説明ではなく、制度の改善・充実につなげる場にしなければならない。

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