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 国土の51%が豪雪地帯の日本では、雪害で毎年数十人、ときに100人以上が命を落とす。多いのは、雪下ろし中に屋根から転落する事故である。

 冬本番。ヘルメットの着用や命綱の確認など、あらためて雪への備えを確かめたい。

 もうひとつ、しばしば問題になるのは道路交通のまひだ。

 昨年2月に37年ぶりの大雪に見舞われた福井県では、国道8号で約46キロにわたって1500台の車が立ち往生した。除雪が追いつかず、全ての車を助け出すのに60時間以上かかった。東京都心でも1月に23センチの積雪があり、首都高速で約10時間にわたる滞留が発生した。

 17年は鳥取県、16年には新潟県の国道などでも、同様の事態が起きている。

 渋滞は、救急患者を乗せた車の行く手をはばみ、物流を滞らせ、市民生活に大きな影響を及ぼす。さらに、雪の中で長時間とまると、車中で一酸化炭素中毒をおこす危険も高まる。

 こうした事態を繰り返さないためには、まず主要幹線道路を管理する国が、積雪状況を迅速に把握し、通行を早めに規制のうえ周知するなどの措置を講じなければならない。

 昨年の福井の例では、北陸自動車道が通行止めになり、並行する国道に車が流れ込んだ。国や自治体がバラバラに通行規制をしたり、除雪に動いたりしたことが問題を大きくした。教訓をくみ、連絡を密に取りあい、行動計画を共有し、除雪作業など相互支援のネットワークを機能させることが大切だ。

 立ち往生は多くの場合、チェーンを装着していない車から始まる。国土交通省は今冬から、大雪時に高速道路や国道の一部で装着を義務づけることにし、先月、とりわけ危険な13区間を指定した。スタッドレスタイヤで十分という考えは、この際とらないのが賢明だろう。

 何より雪の日には、車の利用を極力避けることが肝要だ。

 国交省の検討委員会は昨年、企業や地域住民に不要不急の道路利用を控えるよう求め、「社会全体が主体的に対応する必要がある」と提言した。物流関係の企業は道路事情のこまめな確認、迂回(うかい)ルートの選択、出発時刻の変更など、対策を重ね、柔軟に業務にあたってほしい。

 近年、年降雪量は横ばいだが局所的、集中的に降る傾向がある。いわゆる「どか雪」だ。

 雪の予報は雨以上に難しい。日ごろ縁のない地域の住民も油断せず、自分はどう動き、どんな行動は控えるべきか、心の準備を怠らないようにしたい。

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