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 24年前の阪神・淡路大震災は、ボランティア活動など災害にまつわる様々な取り組みが注目され、定着していくきっかけとなった。

 地域に暮らす外国人への対応もその一つだ。激しい揺れと火災で多くの人が命を落とした神戸市長田区では、カトリックの教会が国籍を超えた支援の拠点となった。被災者に情報や物資を届ける支援活動がNGOを軸に芽生え、広がった。

 この四半世紀で在留外国人は技能実習生や留学生を中心に倍増し、260万人を突破した。少子高齢化と人口減が進むなかで、外国人抜きでは立ちゆかないという地域も少なくない。

 支援する側とされる側という関係を脱し、ともに災害に備え、救護や避難支援を行う。海外にルーツをもつ人たちとそうした態勢を築くことが急務だ。

 昨年夏、西日本豪雨に見舞われた岡山県総社市では、ブラジル出身の市職員譚俊偉(たんしゅんわい)さん(45)がSNSを使い、ポルトガル語などで河川の水位上昇や避難場所を伝えた。避難者の支援物資受け取りに付き添い、罹災(りさい)証明書申請の相談にも応じた。

 同市は13年度から、災害時に情報提供や誘導を担う「外国人防災リーダー」を養成している。譚さんはその一人で、十数人の仲間は外国語指導助手や工場勤務、主婦とさまざまだ。

 「外国人は『支援される』災害弱者と言われるが、『支援する』側になりたいと思っている」。譚さんがそう話す通り、メンバーの一部は隣接する倉敷市真備町に自発的に駆けつけた。浸水した家屋から高齢者らをゴムボートで救出し、水がひくとがれきの撤去も手伝った。

 総社市のほかにも、外国人リーダーを育てる研修会を開いている自治体がある。ただ、外国人の国籍は多様化し、多言語での対応が求められるだけに、市町村ごとの取り組みでは限界がある。外国人を支援するNGOなど民間団体とともに広域の連携網を整えられないか。

 16年の熊本地震では、ムスリムが集う熊本イスラミックセンターに全国の仲間から支援物資が寄せられ、益城町などの被災地に届けられた。居住地を越えた外国人の独自のネットワークも力になる。

 4月に改正出入国管理法が施行されると、日本で暮らす外国人はさらに増えるだろう。

 防災訓練や研修に外国人の声を生かし、参加を増やす。国籍にかかわらず住民が交流し、理解を深める場をふだんから設ける。そうした基本を大切にしつつ、工夫を重ねていきたい。

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